『吾輩は猫である』『長靴を履いた猫』『おまわりさんと招き猫』……「しゃべる猫」なぜフィクションで人気?

「しゃべる猫」なぜフィクションで人気?
おまわりさんと招き猫 おもちとおこげと丸い月
『おまわりさんと招き猫 おもちとおこげと丸い月』

 小槇はおもちさんを招き猫というけれど、おもちさんが招き入れるのは決して楽しく幸せなものばかりではない。2巻では動物誘拐なんて物騒な事件も起きるし、人が生きている以上、哀しみや怒りと無縁ではいられない。だが理屈だけではわりきれない現実をのりこえるヒントを、人智を超えた存在であるおもちさんは教えてくれるのである。

 冒頭にあげた『猫君』でも、猫又たちは徳川家公認で江戸城内に学び舎をもち、裏で奔走しながら、人間の歴史に関わってきた姿が描かれていた。マンガ『ねこまたとあさごはん』では、妻を亡くし消沈している男のために、飼い猫は巨大な猫又となってしばし命を長らえさせ、男と寄り添う日々を生きることを選んだ。マンガ『江の島ワイキキ食堂』の猫・オードリーは、話ができることは秘密にしながら、ひそかに飼い主と彼の営む食堂を手伝っている。彼らは忠義ゆえというよりも、「まったくしょうがないなあ」というスタンスで、気が向いたときには、人間に手を差し伸べてくれる。その、どこか主従逆転したような関係性も、猫と人間の物語の魅力かもしれない。

■書籍情報 『おまわりさんと招き猫 あやかしの町のふしぎな日常』 著:植原 翠 装画:ショウイチ 発売日:2021年10月20日 価格:759円(本体690円+税10%)

『おまわりさんと招き猫 おもちとおこげと丸い月』 著:植原 翠 イラスト:ショウイチ 発売日:2022年12月20日  価格:792円(本体720円+税10%) 『おまわりさんと招き猫』特設サイト https://kotonohabunko.jp/special/omawarisan/

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