『SPY×FAMILY』『チェンソーマン』編集者が語る、新しい才能への期待 「何かひとつでも光るところがあればいい」

『チェンソーマン 』編集者が求める才能

『SPY×FAMILY』は時代とかみ合った作品

『SPY×FAMILY』1巻(©遠藤達哉/集英社)

――紙の雑誌も漫画誌アプリも両方経験なさっている林さんから見て、5年後、10年後の漫画はどうなっているとお考えですか。

林:普通に電子媒体が増えている感じだと思いますが、かといって、紙の本が消滅することもないだろうと思っています。現状の漫画は、最終的に紙のコミックスにまとめるのを前提に作られていますから、コマ割りなどの面での大きな変化もないでしょうね。ただ、それでも、印刷した紙を綴じたものとスマホやタブレットの画面では「見せ方」が違いますから、徐々に紙でも電子でも違和感のないようなコマ割りに変化していくだろうとは思っています。『SPY×FAMILY』の遠藤達哉先生など、すでに意識的にそれをやっている漫画家さんも少なくありません。

――その遠藤先生の『SPY×FAMILY』ですが、なぜここまでヒットしたのだと思いますか?

林:絶対的な要因かはわかりませんが、実は『SPY×FAMILY』という作品は、『月華美刃』(2010年~2012年)の連載が終わった後に、遠藤先生が描いた3作の読切の要素を組み合わせて作った漫画なんです。そういう漫画の作り方は珍しいと思いますが、そのぶん、時間をかけておもしろいものができたということかもしれませんね。ただ、もともと遠藤先生の絵は多くの人の目を引いていましたし、ネームも上手かったのですが、ここまでのヒット作になるとは誰も予想してなかったと思います。「時代とかみ合った」としかいいようがありません。個人的には、もっともっと売れていい作家だと思っていましたので、『SPY×FAMILY』が広く世に知られるようになって本当にうれしく思っています。

――それでは最後に、あらためて、「MILLION TAG」に応募しようとしている方々にひと言お願いします。

林:冒頭でお話ししたことの繰り返しになりますが、賞金が高額で、連載、コミックス化、アニメ化確約というのは、やはり新人の漫画家さんにとっては魅力的なものだと思いますので、我こそはと思う方はぜひご応募ください。きっと他の漫画賞よりも“大きなもの”が得られるはずです。まだ見ぬ新しい才能と出会えることを、いまから楽しみにしています。

■関連情報
「MILLION TAG」(ミリオンタッグ)公式サイト:https://sp.shonenjump.com/p/sp/million-tag/

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