『五等分の花嫁』はラブコメ界に新しい風を吹かせたーーほのぼのとした“HAPPY ENDING”に寄せて
そして迎えた最終回
※以下、ネタバレあり
さて、遂に幕を閉じた『五等分の花嫁』だが、最終回が気になって仕方がない人も多いはず。積極的なアプローチが目立った一花、徐々に気を許していった二乃、早い段階から風太郎へ好意を抱いていた三玖、序盤から友好的だった四葉、喧嘩の絶えなかった五月……誰が花嫁になってもおかしくない状況で物語は展開していった。中には自分の“推し”に幸せになってもらいたい!なんて願った人もいるだろう。正直なところ彼女たちが三年生へ進級するまで、風太郎へのアピールが目立たないキャラも多かった。恋の結末が読めなかったため、ドキドキしながら読み進めるのも楽しかったのだ。
過度なネタバレは控えたいところだが、最終的に風太郎は一人の女性を選ぶ。そして結婚式へ……となるのだが、一筋縄ではいかないのが中野家の五つ子。最後の最後まで風太郎を困らせ、振り回すのは流石としかいいようがない。だが彼自身も、もう序盤のような苛立ちを見せない。「五つ子ってめんどくせー」と言いながら大人の微笑みを浮かべる姿に、大きな成長を感じた。「お前たち五つ子に出会えたこと。数少ないオレの自慢だ」だなんて、かつての風太郎では考えられない言葉だ。
マガジンの表紙に「HAPPY ENDING!!!!!」と書かれているが、まさにそのとおりなのでご安心を。この作品に悲壮感は必要ないのだ。最後までほのぼのとした雰囲気は健在で、でもどこか閉幕が寂しい。またどこかで大きくなった五つ子と、大人になった風太郎との再会を願うばかりである。
■たかなし亜妖
平成生まれのサブカル系ライター。ゲームシナリオライターとしての顔も持つ。得意技は飲み歩きと自炊。趣味はホラー映画鑑賞。
■書籍情報
『五等分の花嫁 13』
春場ねぎ 著
価格:本体450円+税
出版社:講談社
公式サイト