中国SF『三体』は理系が苦手でも楽しめる! キャラクター小説としての魅力を考察

キャラ小説としての『三体』

 本作はSFである以前に、SFが好きで好きで仕方がない人間の「俺の好きなモノ全部盛り」であり、その熱量が読んでいて心地よい。逆に「だからこそついていけない」という人もいると思うが、こうした前のめり感が好きな人には是非とも手に取ってほしい。高校数学0点レベルの私でも楽しめたのだ。SFの知識がなくても、理系に弱くても、本作はキャラクターを楽しむ小説として面白い。そして何より……この話で史強のあのキャラクターはズルいですよ。あれは好きになるに決まってるじゃないですか!

■加藤よしき
ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。
『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。

■書籍情報
『三体』
劉 慈欣 (著), 立原 透耶 (監修), 大森 望 (翻訳), 光吉 さくら (翻訳), ワン チャイ(翻訳)
価格:本体1900円+税
頁数:447頁
ハヤカワオンライン:https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014259/

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