最速詳細レビュー! 宇野維正が『宇多田ヒカルのうた』を全曲解説
本日12月3日、実にリリース6日前というギリギリのタイミングにようやく発表された『宇多田ヒカルのうた -13組の音楽家による13…
00年にデビューを果たしたバイリンガルのソウル・シンガー、AI。彼女は何事に臆することもなく、ドッシリと腰をすえた、芯の通ったソウルフルな歌声を聴かせる“美しき才媛”である。さらに、ミッシー・エリオットにも通じるような粘着質の強いテクニカルなラップまでも披露するのだから、“比類なき才能の持ち主”とも言えるだろう。
AIはそのサウンド面において、R&B特有の美しいメロディにJポップのテイストを巧妙に盛り込ませ、ブラック・ミュージック・リスナー以外へのアピールも図っている。多様なヴァラエティを持つトラック群を余裕タップリに乗りこなせるのも、彼女の歌唱スキルの高さゆえだろう。もはや、彼女からはヴェテランの風格すら漂っているようにさえ思える。その詩才(リリカル・センス)もなかなかのものだ。
作品としても順風満帆にリリースを重ねているAI。リリースするごとに、その声はより厚みが増し、艶が増し、オーラが増し、それに呼応するかのように、セールスやファンが彼女に向ける熱意の値もどんどんと増してきている。AIはいったいどれだけ大きくなろうとしているのだろう? そのポテンシャルはあまりに深く、計り知れない。
本日12月3日、実にリリース6日前というギリギリのタイミングにようやく発表された『宇多田ヒカルのうた -13組の音楽家による13…