King & Prince、「HEART」で届ける王道ラブソング 聴き手を一瞬にして“プリンセス”にしてくれる愛溢れる歌声
CD Chart Focus
参考:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2025-03-24/
2025年3月24日付(3月18日発表)のオリコン週間シングルランキングでは、King & Princeの『HEART』が初登場1位に輝いた。初週売上は前作『halfmoon / moooove!!』の30.5万枚を上回る31.7万枚。デビューシングル『シンデレラガール』から16作連続のシングル1位の記録を更新したほか、史上初の16作連続初週売上30万枚超えも自己更新し、トップアーティストとしての貫禄を見せつけた(※1)。
表題曲「HEART」は、永瀬廉が主演を務めるドラマ『御曹司に恋はムズすぎる』(カンテレ/フジテレビ系)の主題歌。物語は大手アパレルメーカーの会長の孫として、何不自由なく生きてきた御曹司(永瀬)が、超庶民出身の同僚(山下美月)と出会い、さまざまな困難を乗り越えて恋を成就させていくラブストーリーだ。そんなドラマに合わせてか、楽曲の印象もポップで軽やか。大サビからの始まりでは、まず永瀬がアカペラボーカルを披露。そこへ髙橋海人の歌声とゴージャスなオーケストラアレンジが加わり、一気に幸福感あふれる世界へとリスナーを引き込んでいく。
作詞曲を手掛けたのは、これまでにも彼らに「恋降る月夜に君想ふ」など、King & Princeの楽曲群の中でもとりわけハッピーな曲たちを提供してきたJazzin'parkの2人だ。〈ハートの矢印は君へ/どうしよう... 止められない〉〈こんな気持ち 初めてだよ〉など、まるで少女漫画のような世界を想起させる歌詞も、本作を彼ららしい“王道”のラブソングたらしめている。
思えば、ここしばらくはクールな楽曲やギミックの効いたダンスサウンドを追求し、さまざまな音楽表現に向き合っていたKing & Prince。ここにきて、「HEART」のような原点回帰の歌ものを届けてくれたことは、ファンにとっても嬉しい出来事だったのではないだろうか。そしてそれはメンバーにとっても同様のようで、リリースにあたり永瀬は「King & Princeからファンの皆さんへの愛を詰め込んだラブソングです」というコメントを発表。髙橋も「夢も愛も全てをこの曲に乗せて、ファンの皆さんの心にまっすぐ届けられたら嬉しいです」と語っている(※2)。
アーティストとして、表現者として、次々に新しい顔を見せてくれる求道者であり続けてほしい反面、聴き手を一瞬でプリンセスにして、キラキラとまぶしい世界へエスコートしてくれるような理想の存在でもあってほしいというのは、果たして“我儘なLove”だろうか? だが、本作ではそれほどに誰もが待ち望んだKing & Princeの姿が体現されていると言えるだろう。