bird×スチャダラパー、人生を豊かにする“何事も面白がる姿勢” みうらじゅん節も炸裂する「センスとユーモア」制作秘話

1999年にデビューし、25周年を迎えたbirdの12枚目のオリジナルアルバム『Reconnect』がリリースされた。25周年を超えて、新たな心境で未来へ向かう彼女がアルバムのテーマに掲げたのは、Reconnect=再びつながること。全曲プロデュースを手掛けたのはポップス界のマエストロ、冨田ラボこと冨田恵一。長年深い信頼を寄せる冨田ラボとbirdのパートナーシップから生まれた渾身の本作には、ゲストにARIWA(ASOUND)とスチャダラパーも迎えている。リアルサウンドでは、「センスとユーモア feat. スチャダラパー」を共作・共演したスチャダラパーとbirdの鼎談をお届けする。両者の浅からぬ関係と、Reconnectの意義をたっぷり語り合ってもらった。(佐野郷子)
birdとスチャダラパーの出会い

ーーbirdさんの新作『Reconnect』で、スチャダラパーをフィーチャーすることになった経緯をうかがいたいのですが、birdさんとスチャダラパーが知り合ったのは?
Bose:いつだっけ? birdがデビューしてから、どこかでなんとなく知りあったような気がするけど。
bird:初めてお会いしたのがいつだったかは思い出せないけど、最初に共演したのはDJ CELORYさんのアルバム(『BEAUTIFUL TOMORROW』2008年)でしたね。
――「ショッキング・ダイナマイト feat. スチャダラパー、bird」ですね。
Bose:そうそう。あれが2008年か。
SHINCO:その後、僕らのアルバム(『11』2009)にも参加してもらって。
ANI:「壊れかけの… feat. bird」でね。
――birdさんはデビューが1999年、スチャダラパーは1990年のデビューで約10年先輩に当たりますが、birdさんが存在を知ったのは?
bird:スチャダラパーの名前は知っていましたが、私はデビューするまで、プロデューサーの大沢伸一さんに出会う前までは、当時、リアルタイムで流行っていた曲をほとんど聴いていなかったんです。学生時代はバンドでもっぱら70年代のソウルミュージックをコピーしたりしていたので。
Bose:なるほど。
bird:だから、ヒップホップを聴くようになったのも1stアルバムの「REALIZE feat.SUIKEN + DEV LARGE」でSUIKENさんとDEV LARGEさんと一緒に私がラップすることになってから。スチャダラパーをちゃんと聴いたのもその時で、面白くてカッコイイなあと感じたのをよく覚えています。
SHINCO:その頃、birdがどんな曲が引っかかったのか気になるね。
bird:「ドゥビドゥWhat?」とか、「タワーリングナンセンス」とか。
ANI:いろいろ遡って聴いてくれてんスね。
bird:はい。いきなりラップをやることになって、どうしたらいいのか分からなかったとき、マネージャーが勧めてくれたのがスチャダラパーだったんです。
SHINCO:1999年頃はまだ女性ラッパーも少なかったしね。
bird:当時、ボーカルディレクションを務めてくださったMonday満ちるさんが、「リズム感を向上させるためにもラップを聴いたり、自分でもやってみたら?」とおっしゃって。ソウルやR&Bをトラックで歌うことも初めてだったので、リズムを取るということも含めてヒップホップに触れてみた方がいいと。
Bose:ブレイクビーツに乗ったR&B、ヒップホップの影響を受けたソウルって、いわゆるバンドものとはノリが違うもんね。
bird:そうなんです。ループで歌うことにも慣れていなかったし、ラップのリリックは韻を踏んだ方がいいんだろうかとか試行錯誤して。
Bose:しかも、相手がSUIKENとDEV LARGEって、いきなりハードルが高いよね。
bird:仮にラップを入れてみたら、大沢さんが「全然ちゃうやん?」って(笑)。SUIKENさんにサビの部分、お手本のヴァースを入れてもらって、自分なりに言葉をラップに乗せていく感覚が少し掴めた気がしたんですけどね。
SHINCO:90年代からそういう打ち込みも取り入れたR&Bが流行り始めて、以降はそっちが主流になっていった印象がありますね。
bird:そうですね。大沢さんの打ち込みのトラックに生音を組み合わせるスタイルはバンドで歌っていた自分には入りやすかったし、同時に打ち込みにも慣れていったんです。