SixTONES『バリア』MTV Unplugged盤が永久保存版である理由 声の力で証明した、進化を続ける6人の“音楽の現在地”

SixTONES、『バリア』MTV盤は“永久保存版”

 SixTONESの14枚目シングル『バリア』が3月19日にリリースされる。メンバーのジェシー主演の映画『お嬢と番犬くん』の主題歌でもあるこの楽曲は、2月1日オンエアの冠ラジオ番組『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)で解禁された。その後、現在開催中の5大ドームツアー『YOUNG OLD』の京セラドーム大阪公演初日で初披露され、ファンからは「フルサイズで聴きたい」という声と熱が日に日に高まっていた。

SixTONES –「バリア」from 「YOUNG OLD」2025.02.22 KYOCERA DOME OSAKA

 「バリア」は熱量の高いラップとボーカル、ファンキーなバンドサウンドとが融合し、それが疾走感となって最愛の人を守り抜くという信念を伝える“強いラブソング”だ。SixTONESの切ないラブソングといえば「ふたり」や「わたし」、「ここに帰ってきて」のようなバラードが印象的だが、「バリア」はポップでありながら、歌・言葉・メロディ・サウンドが一つになって生み出される強い推進力に乗せ、深い愛情を伝えている。歌詞は映画の内容とリンクしているが、同時にファンへのメッセージでもあるようにも聴こえる。SixTONESが“バリア”となってファンを守り、ともに進んでいこうという、別れと出会いの季節や春に贈るあたたかな楽曲としても長く愛されることになりそうだ。

SixTONES – バリア [YouTube ver.]

 この曲は、SixTONESの「君がいない」の作詞・作曲・アレンジで作家デビューし、ほかにも「君がいない」「GONG」「Are You Mine?」も手掛けているZembnalが作詞・曲・アレンジ(共同)を担当。彼は、西野カナ「また君に恋をする」「Funny」の作編曲も手掛けるなど、今注目を集めるメロディメーカーだ。

 初回盤には「バリア」と新曲「ABRACADABRA」、映像として「バリア」のMV、Music Video Making、Street Dance Performance Only ver.、Museum Dance Performance Only ver.が付属。屋外と屋内という異なるロケーションで撮影された2つのパフォーマンスビデオは、ダンスの空気の纏い方も曲の伝わり方もまったく異なっており、それぞれが様々な表情を見せてくれる興味深い仕上がりになっている。ぜひこちらも楽しみにしていてほしい。通常盤には「バリア」に加え、CW曲として新曲「Snooze」「崩壊前夜」と、前作シングル「GONG」「ここに帰ってきて」のRemixバージョンが収録される。

SixTONES – 14th Single「バリア」nonSTop digeST

 そして、最も注目を集めているのはMTV Unplugged盤だろう。先日SixTONESが出演したアコースティックライブ番組『MTV Unplugged: SixTONES』を完全パッケージ化。DVDには、放送ではカットされた未公開曲やMCを含めた全パフォーマンスが収録される永久保存盤だ。

 『MTV Unplugged』は、1989年にアメリカ・ニューヨークでスタートした歴史あるアコースティックライブ企画。これまでにエリック・クラプトン、マライア・キャリー、Nirvana、Oasis、BTS他錚々たるアーティストがパフォーマンスし、日本人アーティストも、平井堅、宇多田ヒカル、KinKi Kidsらが出演。“選ばれた”アーティストたちが、いつもとは違うアコースティックスタイルで“静かな熱狂”を生み出してきた。

【#MTVUnplugged】SixTONESからコメントが到着!アンプラグドライブ放送記念!

 黒のセットアップで登場した6人の佇まいは自信に満ち溢れている。少しの緊張はあったかもしれない--しかし、自身らのライブでもバンドとともにパフォーマンスし、『題名のない音楽会』(テレビ朝日系)ではオーケストラをバックに歌ったりと、今年でデビュー5周年、そして結成10周年を迎える6人はその経験値と実績で培ってきた確かな自信を手に、この“伝統のステージ”に挑戦していた。そして、新たなSixTONESをファンに届けることができる楽しみのほうが大きかったことが、歌を通して伝わってくる。

 オープニングは「こっから」。そこには、いつもドームやアリーナで躍動する彼らの姿はない。メンバー同士の呼吸を確かめるように、そしてバンドの音を全身で感じるように、一つひとつの言葉を丁寧に紡いでいく。オシャレ度がさらに増した「マスカラ」はオリジナルとはまったく違う温度感を湛えて伝わってくる。どの曲もそうだ。シンプルな編成のバンドでのシンプルな音だからこそ、6人のそれぞれの声色と質感が際立って聴こえてくる。ほとんどの曲でハモリを乗せる京本大我の、まるでビロードのような質感の声はSixTONESのひとつの象徴だと実感させられるし、松村北斗の低いところから高いところまでカバーできる伸びのある強く端正な声も、アコースティックライブではさらに威力を発揮する。

 森本慎太郎の思いを伝える表現力も、やはりシンプルなサウンドと相まって強度が増す。髙地優吾の柔らかく、でも芯を感じることができるどこか少年らしさを残す声でとにかく丁寧に歌い届ける姿も印象的だ。田中樹は、ゴリゴリのアッパーな曲で見せる強靭なラップとは違う一面を見せるセクシーな濡れた声とMCでステージを支えていた。そしてジェシーの甘く温かい声、特に中低音の響きは耳を優しく撫でてくれるようだ。

『MTV Unplugged: SixTONES』

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