パルプ・フィクション現象に出口はあるか

出版業界が陥るパルプ・フィクション現象に出口はあるか 『パルプ・ノンフィクション』が伝える、紙の本への情熱

本書を読んで、大いに共感し、激しく胸を揺さぶられた。出版業界の内側を書いた本だからだ。著者とは立場が違うが、私も文芸評論家という…

「はめふら」人気は主人公の魅力にあり

悪役令嬢もの人気作「はめふら」の魅力は主人公の“人タラシ”にあり? 『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』評

女性向けのネット小説を中心に“悪役令嬢もの”と呼ばれるジャンルがある。悪役令嬢とは、物語の中で悪役的な立場に置かれる(もしくは将…

『麒麟がくる』のお供に、光秀ブックガイド

『麒麟がくる』がもっと楽しくなる! 文芸評論家が教える、様々な明智光秀像を描いた本7冊

今年(2020年)のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』は、帰蝶役の沢尻エリカが薬物問題で降板するなど、放送前から話題になっていた。し…

憂国のモリアーティは優れたパスティーシュ

『憂国のモリアーティ』は優れたパスティーシュだーー“正典”への大胆なアプローチを読む

この世界にある、すべての物語の中で、もっともパロディ、パスティーシュ作品が生まれているのは、コナン・ドイルの「シャーロック・ホー…

『本好きの下剋上』の止まらない下剋上

『本好きの下剋上』マインは個人で世界そのものに立ち向かうーー異世界ファンタジーとしての魅力を考察

『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~』(以下、『本好きの下剋上』)の下剋上が止まらない。それは作品の…

『危機と人類』語り口の巧さ

警世の書『危機と人類』はなぜ“読みやすい”のか? ジャレド・ダイヤモンドの語り口の巧さ

多彩な分野で精力的な活動をしている学者、ジャレド・ダイヤモンドの名前が日本で広く知られるようになったのは、なぜ地域によって文明の…