『舞いあがれ!』高杉真宙の“ニュー刈谷”を制作統括が絶賛 「ある種のカリスマ性を表現」
『舞いあがれ!』(NHK総合)第25週より、刈谷(高杉真宙)と玉本(細川岳)が本格的に物語に再登場している。
刈谷たちが作業場で開発していたのは、人を乗せて飛ぶことを想定した「空飛ぶクルマ」。舞(福原遥)は、刈谷の人力飛行機サークル「なにわバードマン」の学生時代と変わらない空に抱く憧れと情熱に触れ、自身の会社「こんねくと」と刈谷の「株式会社ABIKILU(アビキル)」の業務提携を提案する。開発に手一杯の刈谷たちを「こんねくと」が資金調達を含めたファイナンス面でサポートし、さらには人材集め、広報の活動を手助けしていく。それは東大阪の町工場全体の活性化を第一とした未来への投資でもあり、何より舞自身が刈谷の言う「誰でも気軽に空を行き来できる未来」を見たかったのだ。
第25週からはタイトルバックに「空飛ぶクルマ」の開発・製造・販売を行うスタートアップ企業の代表取締役の名前が並んでいる。『舞いあがれ!』は、東大阪の町工場や航空大学校などへの徹底した取材から物語に浮かび上がるリアリティが本作の魅力の一つでもあるが、刈谷のキャラクター像は空飛ぶクルマの開発に取り組んでいる方々への取材を参考にしている部分が大きいと制作統括の熊野律時は明かす。
「開発に取り組んでいる方たちはロマンチストなエンジニアでした。真っ直ぐな瞳で熱く語られるのを聞いていて、舞が人力飛行機編で出会い、後に再会する刈谷はきっとこういう人なんだろうなという、キャラクター作りのヒントになりました」
演じる高杉真宙本人は穏やかで、刈谷の人物像とはかなりギャップがあるようだが、本番になると情熱的でエネルギッシュな芝居に入っていく。「この人やったら実現できると思わせる説得力」が高杉の演技にも漲っている。熊野は高杉の演技について「ある種のカリスマ性みたいなものを表現していただいています」と話す。
刈谷が学生時代に見せていた冷静沈着な面は、大人になり一人の開発者として、「アビキル」の代表としてのシビアな視点になっている。劇中で詳しく描かれてはいないが、刈谷には自動車会社に入社しエンジニアとして働くも、新しいモノを作りたいという思いから独立し玉本と「アビキル」を起業したという経緯がある。