“突然止まる”おもちゃの動きにあわせた演出も! 『トイ・ストーリー4』4DX体験レポート
今最も老若男女万人向けの良質な映画を作り続けていると言えるピクサー・アニメーション・スタジオ。同スタジオの名声を一気に高めた看板シリーズ『トイ・ストーリー』の新作『トイ・ストーリー4』が7月12日から公開されている。
全世界の人々の涙を搾り取った『トイ・ストーリー3』から9年、完璧に完結したと思っていたこのシリーズが復活すると聞いて正直不安のほうが大きかったが、いざ見てみたら今度はよりオモチャたちのための話になっていて別の感動が生まれていた。
完結したと思っていたのは1~3のオモチャたちの持ち主アンディと一番のお気に入りのカウボーイ人形ウッディの物語であって、オモチャたちそのものの物語はまだまだ語る余地があったのだ。
毎度毎度オモチャたちが持ち主のもとを離れて苦労しながら戻ってくるのが基本プロットの本シリーズ。『トイ・ストーリー4』も同じ型で話が作られているが、その玩具たちの大冒険をよりリアルに感じられるものがこの9年間の間に開発された。2010年までのシリーズ公開時にはなかったが、2019年現在人気の上映形態になっている4DXだ。
『トイ・ストーリー』の4DX版は老若男女誰でも楽しめるように動きは調整されており、ゴリゴリのアクション映画と比べれば演出は控えめ。それでも揺れる座席や吹き出る水、煙などによって人間には何でもない状況がオモチャたちにとってはいかに困難で過酷かというのがより伝わってくる。
人間社会のどこにでもある空間がオモチャたちには一大スペクタクルの舞台になるというこのシリーズの面白さが十二分に強化されていた。今回の話であれば、人間にとっては狭くてすぐに全て見終わってしまうようなアンティークショップがオモチャたちには未知の巨大迷宮のように見えてしまう。そんな感覚が座席の振動の演出や3Dを通して体験でき、シリーズとともに成長してきた世代としてはこれまでもウッディたちはこんな大変な思いをしてでも持ち主のもとに一途に戻ろうとしていたのかと想像して遡って感動してしまった。
また4DXの水の表現も、冒頭の雨の中で仲間のオモチャを救出するシーン(この場面も過去パートの思い出という設定なのでかかる水は控えめ)以外は基本的に水場から離れて室内や快晴の空のもとでの冒険が続くので、水が苦手な人も安心していただきたい。