Snow Man 目黒蓮、死と向き合う難役をどう演じる? 主演映画『ほどなく、お別れです』への期待

Snow Man 目黒蓮、死と向き合う難役に

 Snow Manの目黒蓮が浜辺美波とダブル主演を務める映画『ほどなく、お別れです』。2026年2月に公開予定が発表されたことをきっかけに、同名の原作小説にも再び注目が集まっている。「小学館文庫小説賞(2018年度)」の大賞受賞作としても話題を呼んでいた本作。2023年春にはコミカライズ化もされ、小説と漫画合わせてシリーズ作品は累計30万部を突破した。現在、実写映画化の話題を受けてAmazonの小学館文庫売れ筋ランキングでは堂々の1位に。そして『ほどなく、お別れです それぞれの灯火』『ほどなく、お別れです 思い出の箱』と続くシリーズ2冊も上位にランクインしている人気ぶりだ。

 タイトルにもあるように、本作で描かれるのは大切な人たちとの別れ。それも日頃、私たちがどこか「縁起でもない」と敬遠しがちな「死」による別れだ。しかし、誰にも平等に訪れるのが「死」。決して避けては通れない「死」を見つめることで、おのずと「生」についても考えさせられる。本作は、そんな「生」と「死」が交差する葬儀場を舞台に、“気”に敏感なヒロイン・清水美空と、その上司である葬祭プランナーの漆原礼二がタッグを組んで最高の葬儀を目指す物語だ。実は、本作がデビュー作である著者の長月天音。その背景には、夫との死別経験があったと語られている。

コミックス版の『ほどなく、お別れです』

 美空が持つ死者や遺族の“気”を感じ取る力と、漆原の鋭い観察眼を駆使して、一歩先へと進む手伝いをしていく。その言動は「誰かに言ってもらいたい言葉だった」そう。この小説そのものが著者にとってのグリーフケア(喪失体験に伴う悲しみや苦しみを抱える人を支援すること)とも言えるのだ。だからだろうか、この小説には読む人の心を軽くしてくれる“何か“がある。それこそ、身を切られるような別れがあっても、続いていく人々の人生。そこに少しでも救いがあってほしいと願う著者の“気”が宿っているような気がする。

 そして、きっと一度でも身近な人の死を経験したことがある方なら思うはずだ。もし次に誰かとの別れがあるなら、美空や漆原に葬儀をお願いしたいと。本作には、他にも美空以上に死者と思いを聞くことができる僧侶の里見や、頼れるホールスタッフの陽子など魅力的なキャラクターも次々と登場する。こんな人たちがいてくれたら、深い悲しみに突き落とされたときに、救われる気持ちになるのではと思わせてくれる。

 人によっては、死者の気を感じ取れる美空や里見の能力はファンタジー的だと思われるかもしれない。しかし、そもそも私たちにとって死はわからないことだらけ。死んだらどうなるのか。その魂が行き着く天国と呼ばれるような場所があるのか⋯⋯。そこに明確な正解がないならば、もはやリアルとファンタジーの境界線もないようなもの。ならば、どこか本当にこんな能力を持った人がいて、葬儀をサポートしていてほしいと願いたい気持ちにすらなる。

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