上田竜也 小説家デビューへの期待 KAT-TUN時代からファンを圧倒してきたクリエイティブな才能

3月31日をもって解散したアイドルグループ「KAT-TUN」の元メンバー・上田竜也が6月27日に初の小説『この声が届くまで』(KADOKAWA)で、小説家デビューすることが発表された。そう聞いて驚きながらも、どこか納得する部分があった。なぜなら上田は、これまでもあの手この手を使ってファンを圧倒してきたクリエイティブな人だからだ。
楽曲制作で見せた「豊かな世界観」
まずは音楽。KAT-TUNとして、激しいロックからキレキレのラップ、切ないバラードなど幅広い楽曲を歌いこなしてきたのはもちろんのこと、ときにはギターやピアノなどの楽器演奏で会場を魅了することもあった。
2008年にはKAT-TUNと並行する形でMOUSE PEACE名義でバンド活動も開始。ソロコンサートを開催するだけでなく、積極的に楽曲制作にも携わってきた。特筆すべきなのが、これまで披露してきた楽曲の世界観が実に幅広いということ。
着ぐるみ姿で働きたくないと口ずさむキュートな「ニートまん」から、口元に獲物の血が滴るようなモンスターメイクで〈食い散らかせ〉と歌う「MONSTER NIGHT」まで。上田を追いかければ追いかけるほどその引き出しの多さに驚かされるはずだ。
上田竜也 - ヤンキー片想い中 [Official Music Video #Shorts]
なかでも、上田の持ち味といえるのが永遠の「青春感」。桜吹雪とともに不安を吹き飛ばしてくれるような『カンタービレ』の歌詞は、実にみずみずしくてどこか胸が苦しくなるくらいだ。また、〈お前が好きだよ〉と連呼する『ヤンキー片想い中』は、上田がインタビューで「完璧な曲です(笑)」と答えるほど愛着のある1曲。しかも、歌詞は2〜3分で書き上げたというから、その思いの純度の高さがうかがえる。
そして、静かに降る雪を〈誰かの愛の言葉だから〉と綴る、切ない片想いソングの『Love in snow』も上田のワードセンスが光る。しかも、この『Love in snow』に関しては、ジュニア時代に独学で初めて作ったソロ曲というから、その才能の豊かさに改めて驚かされるばかり。