闇バイト実行役 直筆手記が公開されネット騒然 筆跡心理学のプロが分析した性格と深層心理

闇バイト実行役の手記を筆跡鑑定

手記に見える人身掌握の巧妙さ

 筆跡だけではなく、手記の内容から永田被告が人身掌握に長けていることが読み取れると根本氏は話す。

 「彼の文章構成は非常に計算されています。最初は『皆様』と語りかけることで読み手の対象の間口を広げ、具体的な説明の際には『貴方』を使用することで親密度を高めています。そして、最後のまとめ部分では一般向けの口調に切り替え、冷静に受け止めてもらうよう誘導しているのです。人の心理をよく理解しており、そのような教育やアドバイスを受けたか、あるいは書籍などで学習した可能性が考えられます」

 また、手記には「闇バイトは自分には無関係である」という認識の危うさについて触れている部分もあり、根本氏はそこに重要な示唆があると指摘する。

 「永田被告は犯行前に『中途半端に知識があって聞く耳を持たなかった』と書いています。この言葉からは、本来は相手の立場に立ってものを考えられるごく普通の人物であったことが伺えます。しかし、環境や心身の状態、運や縁、タイミングといったさまざまな要因が重なった結果、このような事態に至ったのでしょう。人は誰しも魔が差すことがあり、追い詰められた結果、他に手段がないと思い込むこともあります」

 最後に根本氏は「これは他人事ではない。私自身、非常時でも良心に従い、心ある判断を下せる人でありたいと思います」と語ってくれた。現代は日常の中で常に自らの判断を問い直し続けることが求められているのかも知れない。

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