『ちはやふる』の世界がドラマになって帰ってくる! 広瀬すず演じる千早は顧問となって再登場?

『ちはやふる』がドラマになって帰ってくる!

ドラマ『ちはやふる』は原作と違う展開に?

『ちはやふる plus きみがため』(講談社)

 『ちはやふる』が帰ってくる。競技かるたに取り組む高校生たちを描いた末次由紀による漫画は、すでに『ちはやふる plus きみがため』(講談社)として続編がスタートしている。今度は連続ドラマ。広瀬すずが主演した映画3部作で描かれた世界から続く物語が、日本テレビ系で『ちはやふる-めぐり-』として、まったくのオリジナルストーリーで放送される。いったいどのような物語になるのか?

 「『ちはやふる』が新しい挑戦に踏み出します!」。TVドラマ『ちはやふる-めぐり-』の放送決定に寄せた原作者の末次由紀によるコメントだ。そこには、「映画の世界線を基にしつつ、原作にはないオリジナルストーリーで展開するドラマ化。私も原作者として脚本のプロット段階から関わらせていただきました」といった言葉があって、いったいどのようなストーリーになり、どのようなキャラクターが登場してそれを誰が演じるのかといった興味をかきたてる。

 「10年後の新キャラ達が息吹を得て動き出す様子には、毎回「この『ちはやふる』も良い!」と感激しています」という言葉からは、展開を知り尽くしている原作者でもハッとさせられるドラマになっていることが伺える。キャスティングも含めて、これから続々と出てくる情報が今は気になって仕方がない。

映画版&アニメ版、それぞれの表現

 『ちはやふる』とはどのような作品なのか。小学生の時に競技かるたを通じて知り合った綾瀬千早と綿谷新、そして真島太一。時が経って千早と太一は東京にある瑞沢高校に進学し、競技かるた部を作って大会に出るようになっていく。事情があってかるたと距離を置いていた新も、競技かるたの世界に戻ってくる。漫画『ちはやふる』は、そうした3人のストーリーを軸に、競技かるたに取り組む仲間たちやライバル、先人たちの姿を描いて評判になった。

 2008年に連載が始まって、翌年の2009年に第2回マンガ大賞を獲得。2011年にTVアニメの第1期がスタートし、2016年には広瀬すずが千早を演じる実写映画『ちはやふる-上の句-』『ちはやふる-下の句-』が連続して公開された。TVアニメは千早を瀬戸麻沙美、太一を宮野真守、新を細谷佳正が演じて漫画のキャラクターが生きているように感じさせてくれた。そして映画は、広瀬のほかに太一を野村周平、新を真剣佑が演じて3人が3人とも役になりきって、原作のファンやTVアニメのファンも納得の演技を見せてくれた。真剣佑はこの役に刺激を受け、後に「新」から1字取って新田真剣佑へと改名したほどだ。

 TVアニメは現時点で第3期まで作られて、原作のストーリーを途中まで描いた形となっている。いずれ原作と同じように、千早と太一、新、そしてクイーンの若宮詩暢も交えたライバルたちの対決の結果までアニメ化されることを期待している人も多いだろう。一方で、映画『ちはやふる』は、『上の句』『下の句』の後、2018年に完結編となる『ちはやふる-結び-』が公開されて、3年生になった千早たちの高校選手権では最後となる激突を描き、エンドロール近くでクイーン戦、名人戦にのぞむ千早、詩暢、太一、新を登場させて、「ここまで来たんだ」といった感慨を誘った。

 そのエンドロール近くでの激突の様子を、今改めてみると驚く人も少なからずいるだろう。なぜなら、アニメーションとして描かれていて、それが連続テレビ小説『虎に翼』のタイトルバックと同じアニメーション作家のシシヤマザキによって、ロトスコープの技法で作られているからだ。実写さながらのリアルさとアニメーションならではの煌びやかさが合わさった映像が、晴れ舞台に臨む4人の姿と心情を感じさせてくれる。『虎に翼』でも効果を発揮したシシヤマザキの才能を、先んじて取り入れた映画として見返してほしい。

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