『ドラゴンボール』なぜ日本の漫画・アニメの代名詞に? 2025年の国内外の動向から今後を考察

 

『ドラゴンボールDAIMA』PVカット
『ドラゴンボールDAIMA』PVカット

■『ドラゴンボール』の人気は世界規模

  2024年、漫画界最大のヒット作『ドラゴンボール』の作者である漫画家の鳥山明が亡くなった。鳥山の死後も、新作アニメ『ドラゴンボールDAIMA』が放映され、サウジアラビアでは『ドラゴンボール』のテーマパークが建設される計画が進むなど、その人気は衰えることを知らない。

  そんな『ドラゴンボール』の人気は世界中に広がっている。以前、リアルサウンドブックでインタビューを行った、フランス出身で現在は日本のフランス大使館の職員であるムサ・ジェレミ氏は、フランスでの『ドラゴンボール』の人気の高さを語ってくれた。特に『ドラゴンボール』人気が高い国はどこだろうか。

 「正直、どこで人気かというと、国名を具体的に挙げにくいですね。というのも、日本のアニメが視聴できる国であれば『ドラゴンボール』は圧倒的に人気が高いからです。ヨーロッパはもちろん、アメリカ、アジア、中東…正直、『ドラゴンボール』の人気がない国ってあるんでしょうか、というくらいどこでも人気があります」

  こう話すのは、海外にたびたび赴く大手出版社の社員である。曰く、「『ドラゴンボール』は日本の漫画・アニメの代名詞のような存在になっています。日本から来た出版社の社員だと自己紹介すると、『ドラゴンボール』の話題を振られることが多い。おそらく、世界でもっとも有名な漫画・アニメと言ってもいいでしょう」とのことだ。

■人気が盛り上がった背景

 『ドラゴンボール』の人気に火が付いた経緯は、国によって様々である。例えば、1990年~2000年代頃までは、『ドラゴンボール』のアニメの海賊版が販売されていた国も多いようだ。しかし、それをきっかけに人気に火が付き、知名度が上がった国も少なくないという。

  また、サウジアラビアは2000年代に日本の外務省がアニメを使った外交を行ったことを機に、2010年代になると日本アニメの人気が急激に盛り上がっていった。現在では、日本アニメのファン層の厚さでは世界でも有数といわれ、そうした人気が『ドラゴンボール』のテーマパーク建設につながったと考えられるという。

  さて、鳥山が亡くなってもうすぐ1年経つ。今年、海外では、『ドラゴンボール』のファンが集結するイベント「ドラゴンボールゲームスバトルアワー2025」がロサンゼルスで1月18日~19日に開催されることが決定するなど、大きな話題が続いている。日本では完全新作アニメシリーズとなる『ドラゴンボールDAIMA』が放映中で、その後の映画化などの展開も考えられるところだが、ファンが待ちわびているのは、やはり鳥山の業績を後世に伝えるための施設であろう。

 もちろんテーマパークでもいいのだが、鳥山明記念館、もしくは原画を展示する美術館の建設が決まってほしい。間違いなく日本のファンの聖地になるだろうし、海外からの観光客も訪れる名所になることだろう。建設地は鳥山の出身地である愛知県か、もしくは首都圏になるのだろうか。ぜひ、国内に設置してほしいものである。

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