アニメ「ダンまち」第5期「Re:ゼロ」第3期は最大の“見せ場”に エピソードの“意義”を原作から振り返る
大罪司教はそれぞれがとてつもない異能力の持ち主で、TVアニメの1期に登場した「怠惰」担当のペテルギウス・ロマネコンティだけでも、相当な苦戦を強いられた。それと同じかより強烈な個性と強さを持った大罪司教たちの襲撃は、プリステラに集まっていたエミリア以外の王選候補者たちの中にも傷跡を残す。後々まで影響を及ぼす展開もあるだけに放送から目が離せない。
ナツキ・スバルにとっても魔女教との激突は大きな意味を持つ。現代の日本でひきこおりをしていたナツキ・スバルが異世界へと引き寄せられた背景に、魔女教が信奉する「嫉妬の魔女」サテラの存在が疑われている。死ぬと時間が巻き戻って何度でもやり直しをさせられる状況に置かれ、死ぬ痛みと共に何度繰り返しても突破できない苦しみを味わうことになったのも、サテラの介在があるようだ。
物語の世界を裏側で支える魔女教と激突する点で、原作の16巻から20巻あたりと、これを描くTVアニメの第3期はシリーズでもなかなかの読みどころであり、見どころだ。とりわけプリステラに現れた「暴食」担当の大罪司教は、異世界に来たナツキ・スバルが世話になることになったロズワール邸でメイドをしていた双子の姉妹の妹、レムの存在を奪った因縁の相手。『Re:ゼロ』のキャラクターでも屈指の人気を誇るレムをストーリーの上に取り戻す意味からも「暴食」との激闘の行方から目が離せない。
エミリアと同じ王選候補者のクルシュ・カルステンは、レムと同じ時に「暴食」の権能で記憶を奪われていたが、プリステラでは「色欲」の大罪司教、カペラ・エメラダ・ルグニカとの邂逅でさらに苛烈な運命を背負わされる。絶望しかないような状況が続くが、過去にも白鯨であり「怠惰」のペテルギウスであり「腸狩」の暗殺者、エルザ・グランヒルテといった難敵を乗り越えてきたナツキ・スバルだ。そうした過去の戦いを思い出しつつ未来に向けて希望の火を点し続けよう。