【漫画】歌詞に「花束」がダメな理由は? ソンビ禍のアイドルの奮闘をコミカルに描く『ゾンビキーパー』

【漫画】歌詞に「花束」がダメな理由は?

 アイドルグループのメンバーがゾンビになってしまったら——。そんな世界を漫画で描いた作品『メンバーがゾンビになってしまったグループの新曲づくり』がXに挙がっている。

 本作は「マンガ5」(https://manga-5.com/)で連載されている『ゾンビキーパー』の1エピソード。AIやロボットが日常に溶け込む昨今の世相にも、"人でないものが人のふりをする"という普遍的なテーマで時代と共鳴する。時事ネタをゾンビで笑いに変える作品の裏側について作者・竹谷州史さん(@takeya_syuji)に話を聞いた。(小池直也)

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『ゾンビキーパー』(竹谷州史)

——着想について聞かせてください。アイドルグループのメンバーがゾンビになって新曲を作るという設定が面白いと思いました。

竹谷州史(以下、竹谷):もともとアイドルグループのひとりがゾンビになる設定があって、「他のメンバーはどんな感じなんだろう?」という話で打ち合わせが盛り上がったんです。また「アーティストが歌をリリースすると、ファンがそのストーリーや歌詞を過剰に解釈する」という話も挙がって。そこに手応えを感じて描き始めました。楽しく描き切れましたね。

——アイドルとファンの関係性は、もともと関心が?

竹谷:現役で誰かを追いかけてはいません。でも、僕の漫画がドラマ化された『SMOKING GUN~決定的証拠~』原作:横幕智裕、竹谷州史 )でSMAPの香取さんが主演を務めてくださったんですよ。そのときにファンの方の反応をSNSで観ていたんです。

 手を合わせて拝むような気持ちの皆さんを知って、尊敬の気持ちを抱きました。その経験がファン心理を考える上での下地になっている気がしますね。

——歌詞を添削していくシーンも印象的でした。

竹谷:担当編集さんが用意してくれた仮の歌詞をベースに、ボケとツッコミが成立しやすい言葉に置き換えていきました。もとの仮歌はほとんど残っていませんが(笑)、リズム感やコンセプトの骨格はそこから来ています。細かい言葉の選択も編集さんとやりとりしながら決めていきましたね。完全な共同作業です。

——作画面でこだわった点は?

竹谷:他のメンバーがアイドルらしいポーズで踊っているシーンは気に入っています。カッコいいアイドルのパフォーマンスを真面目に描けば描くほど、「ラララ」しか歌える歌詞が残っていない、という笑いが際立つ。真面目に描いた方がより面白くなるという構造を、絵でも表現できたかなと思っています。

——編集者との共同作業を重視されているんですね。

竹谷:僕は常に編集者とのコラボレーションで漫画を作るタイプです。世間話をしながら世の中の話題をどうゾンビの設定で料理できるかを考えていく。それが毎回思ってもみない方向に転がるんですね。スリリングで楽しいです。

 本作も当初はキャラクター中心の話になるかなと思っていたのですが、だんだんと時事ネタをコメディにする方向性になっていきました。自然と秋本治さんの『こちら葛飾区亀有公園前派出所』的な構造になっていった感じ(笑)。

——連載を続けるうえでネタに困ることはありますか?

竹谷:困らないですね。「ゾンビ」という題材は、人の生き死にの象徴でもあるし、AIやロボットとも重なってくると思うんです。だから「人でないものが人のフリをする」というテーマは、あらゆる現代社会の出来事と接続し続けるんですよ。

 僕らに世の中が追いついてくるような感覚で、ネタが尽きない感覚があります。だからあとから読み返したときに「あの時代はこういうことがあったな」と思えるような漫画になっているんじゃないかな。

——本作は今後、どのように描いていきますか?

竹谷:『ゾンビキーパー』という作品を通して、世の中を見続けること自体が刺激的で楽しいんです。この目線をキープしながら、クリエイティブなことを続けていけたらと思っています。

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