【ライトノベル最新動向】11月のライトノベルは百合ラノベが満開 「ハルヒ」最新刊ほか「わた婚」作者の新シリーズも

 花の百合は初夏から夏場が見どころだが、ライトノベルでは11月に百合の花が咲き乱れそう。9月に『人妻教師が教え子の女子高生にドはまりする話 』(電撃文庫)を出し、タイトル通りのストーリーを淫靡さも込みで読ませてくれた入間人間が、長く続けて来たシリーズの最新刊『安達としまむら12』(電撃文庫)を11月8日に刊行。水着姿の安達としまむらが表紙に描かれた巻だけあって、夏休みの海で戯れ合う2人の姿を見られそうだ。ショートストーリーを集めた『安達としまむらSS2』(電撃文庫)も11月8日に刊行。

 『わたしの百合も、営業だと思った?』『彼なんかより、私のほうがいいでしょ?』と百合ライトノベルに次々と注目作を送り込んでいるアサクラ ネルよる『新しくできたお姉さんは、百合というのが好きみたい』(電撃文庫)も11月8日登場。親同士が結婚したことで姉妹になった春夏と沙織の2人に一緒に住むように提案があった。仕事ひと筋の沙織と家族の絆に憧れる春夏とでは性格に違いがあったが、そうした関係の中で、実は本百合という沙織の心が春夏に向けて動き出す。隠した気持ちを打ち明けることはできるのか? 展開が気になる作品だ。

 シリーズ物では、衣笠彰梧による『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編12.5』(MF文庫J)が11月25日に刊行。学業に限らずあらゆることがポイントとなって成績を左右する高度育成高等学校で、超エリートという正体を隠しながら周囲を動かし暗躍する綾小路清隆を主人公にしたシリーズで、2年生編をこれで終えていよいよ最終学年へと向かうことになる。果たして清隆たちは3年生をどのような状況で迎えるのか。気になるところだ。

 世界の命運をかけた戦いを終えて大団円を迎えた賀東招二の『フルメタル・パニック!』シリーズが、主人公の相良宗介と千鳥かなめの結婚を経て子供も生まれた状況で再スタート。その最新巻となる『フルメタル・パニック!Family2」(ファンタジア文庫)では、かつての仲間だったクルツとマオも加わって、宗介たちを追い回す勢力との戦いが繰り広げられる。アーム・スレイブを操縦できて戦闘能力も高い娘の夏美と、ハッキングに長けた息子の安斗の現代っ子ならではの戦いぶりも読みどころだ11月20日発売。

 「フルメタ」シリーズと並んでライトノベルを代表する谷川流の「涼宮ハルヒ」シリーズも、新刊『涼宮ハルヒの劇場』(スニーカー文庫)が11月29日に刊行。ハルヒやキョンといったSOS団の面々が、異世界に迷い込むファンタジー編から宇宙へと飛び込むギャラクシー編へと進んだ先に、書き下ろしの新作へと移って今まで誰も見たことのない冒険を繰り広げる。雑誌掲載やアンソロジー収録の過去作も取り込むようなハルヒの新しい物語を読ませてくれそうだ。現時点で最新刊の『涼宮ハルヒの直観』も11月25日に角川文庫入り。この機会に再読したい。

 新シリーズでは、第35回ファンタジア大賞で金賞となった『囚人諸君、反撃の時間だ』の蒼塚蒼時による『絶世の美少女騎士は俺のガチ恋オタクでした』(ファンタジア文庫)が、200年後の未来から来た美少女騎士にサインを求められるという不思議な展開で興味を誘う。主人公で騎士候補のクロノは未来で大英雄の人気キャラとなっているらしい。そうなる以上は待ち受けている人類の敵「侵略種」との戦いだが、今はモブに過ぎないクロノは果たして対応できるのか。美少女に囲まれて楽しそうでそうとも言えない状況の中、成長していくクロノの姿を見守ろう。11月20日発売。

 『わたし、二番目の彼女でいいから。』の西条陽による『堕天使陛下の仰せのままに え?俺が黙示録戦争を終わらせるんですか?』(MF文庫J)は11月25日に発売。高校をサボって街の便利屋『英国屋』でアルバイトをしている班目真一が、首にガラスが刺さっても死なず、他人を操る能力も持っている不思議な店主のエリさんの下で、天使と悪魔の「聖杯」争奪戦に巻き込まれていく。ラブがあってバトルも楽しめそうな新シリーズと言えそうだ。

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