第57回星雲賞発表 東京創元社から宮澤伊織『ときときチャンネル』など3作品が受賞

第57回星雲賞に宮澤伊織、クァン、レナルズ

 第57回星雲賞の受賞作が6月1日に発表された。東京創元社から、日本短編部門を宮澤伊織「ときときチャンネル ない天気作ってみた」(創元日本SF叢書『ときときチャンネル ない天気作ってみた』所収)が受賞し、海外長編部門ではR・F・クァン『バベル オックスフォード翻訳家革命秘史』(古沢嘉通訳、海外文学セレクション)とアレステア・レナルズ『反転領域』(中原尚哉訳、創元SF文庫)が同時受賞した。

 星雲賞は、毎年開催される日本SF大会の参加者による投票で決定される、日本で最も歴史の長いSFの賞である。日本長編、日本短編、海外長編、海外短編、メディア、コミック、アート、ノンフィクション、自由の9部門に分かれている。東京創元社の刊行物が星雲賞の一部門を同時受賞するのは史上初となる。

 日本短編部門を受賞した宮澤伊織「ときときチャンネル ない天気作ってみた」は、マッドサイエンティスト多田羅未貴の発明を配信サービス《ときときチャンネル》で紹介する十時さくらを描く、配信者SFシリーズの第二弾。全編が配信口調と視聴者コメントで構成される。著者の宮澤伊織は、2015年に「神々の歩法」で第6回創元SF短編賞を受賞。〈裏世界ピクニック〉シリーズはコミック化、アニメ化もされている。

 海外長編部門を受賞したR・F・クァン『バベル オックスフォード翻訳家革命秘史』は、銀と翻訳の魔法によって大英帝国が世界の覇権を握る19世紀を舞台に、オックスフォード大学の王立翻訳研究所「バベル」に入学した中国人少年ロビンを描く本格ファンタジー。ネビュラ賞長編部門、ローカス賞ファンタジー長編部門を受賞し、『SFが読みたい!2026年版』ベストSF海外篇2025で第1位に選ばれた。著者のR・F・クァンは1996年中国・広東省広州市生まれ。デビュー長編『The Poppy War』でコンプトン・クルック賞を受賞している。

 同じく海外長編部門を受賞したアレステア・レナルズ『反転領域』は、19世紀のノルウェー沿岸を舞台に、極地探検にむかった外科医サイラスらが古代に建造された未知の大建築物に遭遇する物語。2023年ローカス賞、ドラゴン賞候補作で、『SFが読みたい!2026年版』ベストSF海外篇2025第2位。著者のアレステア・レナルズは1966年イギリス・ウェールズ地方生まれ。《レヴェレーション・スペース》シリーズに属する『カズムシティ』で2002年英国SF協会賞を受賞、短編「ウェザー」「ジーマ・ブルー」で2008年と2021年の星雲賞海外短編部門を受賞している。

■書誌情報
『ときときチャンネル ない天気作ってみた』
著者:宮澤伊織
価格:2,090円(税込)
発売日:2023年10月31日
出版社:東京創元社(創元日本SF叢書)

『バベル オックスフォード翻訳家革命秘史』(上・下)
著者:R・F・クァン
訳者:古沢嘉通
価格:上巻3,300円/下巻2,750円(税込)
発売日:2025年2月14日
出版社:東京創元社(海外文学セレクション)

『反転領域』
著者:アレステア・レナルズ
訳者:中原尚哉
価格:1,650円(税込)
発売日:2025年7月11日
出版社:東京創元社(創元SF文庫)

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