海賊版グッズ、生成AIを使ったものがネットオークションに氾濫 商品名の“〇〇風”には要注意

■生成AIを使った海賊版が氾濫

生成AIを使ったグッズがネットオークションに多数出品 photo:camiloji menezqzeno(unsplash)

  抱き枕カバーにタペストリー、アクリルスタンド……ネットオークションやフリマサイトに、アニメや漫画の人気キャラクターによく似たイラストをあしらったグッズが、多数出品されている。髪型や髪の色、衣装などを見てもどう考えても“あのキャラ”にしか見えないのだが、具体的な作品名などはない。もしくは、プリキュア“風”のように曖昧な表記で販売されていたりする。

  これらのグッズは、生成AIを使って出力したイラストをグッズ化したものだ。商品説明には生成AIを使ったという記述はないものの、絵柄、手や背景など細部の表現が奇妙な点などから総合的に判断すると、生成AIの絵と考えてほぼ間違いない。最近の生成AIの進化は著しく、例えば京都アニメーション“風”の絵柄を出力するよう指定すれば、それっぽい絵柄が出てくるのである。

  こうした生成AIによって出力されたイラストが、海賊版の温床になっているという指摘がある。一昔前の海賊版といえば、『ビックリマン』のパチシールや、『ウルトラマン』のパチソフビのように、必死にコピーしようとしているのにどこか変という、ネタとして笑えるレベルのものが多かった。しかし、生成AIを使えば、ファンでも騙されるような偽物のイラストが、いとも簡単に生み出せてしまうのである。

  しかも、あくまでもその作品名を謳っているわけではなく、“〇〇風”のイラストなのである。公式のイラストを無断使用した物であれば問題であるが、絵柄を模倣しているだけであれば、著作権的には限りなくグレーではあるものの取り締まることが難しい。近年、個人でもこうした抱き枕カバーなどのグッズが、安く、しかも高品質で製作できるようになったことで、出品例が急増しているのだという。

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