NEC史上最速でトップに立った営業マンが明かす、自己管理の極意 『実行の鬼』ゴンドー優希インタビュー
ゴンドー流自己管理のキモは、「メモ帳」を使ったスケジュール管理にあり
ーー本に書いてある内容は非常にストイックで、これを全部実践するのは大変そうだと思ったのですが……。
ゴンドー優希:正直、僕も完璧にはこなせない日はあります。しかし、やるべきことにワンタッチ触れただけでも「やった」とみなすようにしています。本当は腹筋背筋を30回やらなきゃいけないけど、どうしてもしんどかったら1回やっただけでも「やった」ということにしている。「ちょっとでもいいから、必ずやる」という点についても、理由も含めてこの書籍には書いてあります。ちょっとやっただけでも習慣として記憶に残るし、無駄を省くための習慣が作れるので、それが積もり積もれば無駄を省けるはずです。
ーー本書にはそういったテクニックが6つのカテゴリーに分かれて各30項目、合計180項目収録されていますが、あえてその中で最も重要なものを一つ選べと言われたらどれにしますか?
ゴンドー優希:やはり、スケジュール管理の方法が一番大事だと思います。僕はスケジュール管理の方法にはちょっとこだわりがあって、スマホのメモ帳機能を使うことに決めています。
ーーメモ帳ですか。タスク管理アプリは他にもたくさんあるので意外です。ゴンドー優希:まず、どのアプリがいいか使ってみて試して、やっぱり自分に合わなかったから消して他を探して……という時間がもったいないですよね。メモだったらGmailとかLINEとかバラバラな連絡ツールで送られてきた予定をそのままコピペして貼り付けられますし、シンプルに予定を管理できるんです。例えば「来月に大阪の企業研修に行くから、そのためのホテルを予約する」という予定を「今日」のメモに書き込んだら、「そのホテルを無料でキャンセルできるのはこの日まで」というのをキャンセルのリミットの日のメモにセットで書き込む。仕事以外にも、例えば「作り置きした料理をこの日までに食べ切る」とか、そういうことまでメモで一元管理しています。だからメモを見るだけで仕事もプライベートも両方の予定が把握できるし、メモだから普通のスケジュール管理アプリでは無理なくらい細かく予定が書き込めるんです。
ーーなるほど、メモの方が予定の管理に向いているんですね。突発的なトラブルなどで立てた予定が崩れたり、タスクが達成できなかったり……という場合は?
ゴンドー優希:むしろ、ハードに自己管理をする理由がそこにあると思います。時間を割くべきことが急にできたとしても、本当に大事なことに時間が使えるようにするのが自己管理なので。急に発生したタスクでも、重要性が高くなければ後回しにしたり無視したりできますよね。でも、絶対に時間を割かなくてはならないということは、非常に大事な要件なわけです。そこにエネルギーを割いて、それ以外のことはなるべくエネルギーを使わないように短時間で終わらせる。「本当に大事なことが起きた時に、充分時間を使えるようにしよう」というのは、本書で伝えたいことのひとつです。
ーー要点となるタスクを見極める力がつくのも、自己管理の効能なわけですね。
ゴンドー優希:そうですね。こういう突発的なトラブルが発生した時というのは、不要なタスクを洗い出すためのチャンスだと思っています。トラブルが発生すれば予定をキャンセルせざるを得ないから、「これはキャンセルできないな」という重要なものだけが残っていく。ピンチの時こそ、自分にとって本当に大事な仕事がわかってくるんです。普段から意識して自己管理することで、そうやって無駄を削りながら仕事をする癖がつきます。何も意識して自己管理をしていない場合だったら、テンパっちゃって「ただでさえ忙しいのにどうしよう」と慌ててしまうと思います。日々、自己管理によって不要な時間を削ることを意識していることが、緊急時には生きると思います。
「後の自分に楽をさせる」ために、生活に自己管理を取り入れる
ーーこの『実行の鬼』ですが、どのような人に読んでほしい、という希望はありますか?
ゴンドー優希:「行動しないといけないのはわかっているけど、いざとなると理想通り動けない……」という人に、ぜひ読んでほしいと思います。そういう人って、完璧を求めすぎなんじゃないかと思うんです。うまくいっているように見える人ほど、意外とワンタッチだけでもできたことにしちゃってたりとか、物事を自分の都合がいいように解釈したりしているものです。自己管理と並んで、そういったものの考え方を導入してもらえば、動き出すのが億劫ではなくなるんじゃないでしょうか。
ーー先ほどの、「1回でも腹筋をしたら筋トレができたことにしてしまう」みたいな話ですね。
ゴンドー優希:自己管理をする意味みたいな部分についても書いたので、そこがわからないという人も読んでいただければ納得してもらえると思います。自己管理の意味って、あくまで後の自分が楽をするためなんですよ。「今を大事にするだけではなく、後の自分を大事にしよう」という点は書籍の中でも書きました。将来の自分に楽をさせてやるためと考えれば、あれこれとやることは出てくるはずです。高いハードルを超えて成長するとかではなく、今ではなく後から自分が楽をするためにやる。自分に厳しくしようという発想でやるわけではないんです。
ーーハードルを上げすぎないのが大事なわけですね。
ゴンドー優希:僕もできてない時はたくさんありますし、学生時代なんか周囲に流されまくってましたから。周りからは「完璧そう」みたいな綺麗な印象を持たれがちなんですが、単にポジティブなだけで変なこと言って間違えたりもするんです。自己管理しているから冷静沈着というわけではなくて、ゆるいところもポジティブに解釈しているだけ。流されやすくてテンパりやすいところは、今でもそこまで変わっていません。でも、自己管理によって自分が楽に生活できるようになったし、色々と結果を残すこともできた。僕みたいな人に対してもですし、仕事以外にも病気やトラブルが発生して悩んでいるという人にも、自己管理は役立ちます。職業とか立場に関係なく、『実行の鬼』が頑張っている人にとって励みになるような本になれるといいな……と思っています。
■書籍情報
『実行の鬼 最速で結果を出すためのエクストリーム自己管理術』
著者:ゴンドー優希
価格:1,540円
発売日:3月25日
出版社:サンクチュアリ出版