NEC史上最速でトップに立った営業マンが明かす、自己管理の極意 『実行の鬼』ゴンドー優希インタビュー

『実行の鬼』ゴンドー優希インタビュー
ゴンドー優希『実行の鬼 最速で結果を出すためのエクストリーム自己管理術』(サンクチュアリ出版)

 やらなくてはならないことはあるものの、どうしても集中できない。ひとつのタスクを処理していたのに、合間に舞い込んできた他の用事に時間を取られてしまって結局、作業時間が長引いてしまう。そんな仕事上のトラブルを解決するために有効なのが「自己管理」のテクニックだ。

 しかし、一口に「自己管理」と言っても、具体的に何をどうすればいいのか、そしてどうすればそれを長く続けることができるのかは案外わからないもの。そんな読者に向けて書かれたのが、ゴンドー優希氏の著作『実行の鬼 最速で結果を出すためのエクストリーム自己管理術』である。

 著者のゴンドー氏は、新卒で日本電気株式会社(NEC)に営業職として入社し、わずか3年でNECの全営業マン3万人の中トップの成績を叩き出した。その後はフリーランスの営業代行を経て、現在は飲食店経営・著述業・講演業と多角的に活躍している人物である。

 そんなゴンドー氏は、いかにして"エクストリーム"な自己管理術を編み出したのか。そして、NEC時代から現在まで、自ら実践している自己管理術とは一体いかなるものなのか。著者本人に話を聞いてみた。

自己流自己管理術で、NEC全営業マンのトップに立つ

ーー自己管理術についてお聞きする前に、ゴンドーさんのプロフィールからお伺いしたいと思います。まずは、キャリアのスタート時のことを教えてください。

ゴンドー優希:今年の5月で41歳になるので、およそ20年弱前の話ですが、新卒でNECに入ったのが社会人第一歩ですね。大学時代は本当に何もしていなくて、特別な専門分野がなかったんですよ。そこでマーケティングとか広報とかメーカーとか、色々と受けてみたんですが、その中で当時NECが総合職を500人募集していたんです。その人数ならワンチャンあるかもと思って入社試験を受けたら、うまくいった……という入社の仕方でした。

ーー後程、具体的に伺う自己管理術についても、このNEC時代に思いついたんですね。

ゴンドー優希:そうですね。もともとプレッシャーに弱くて、事前に調整しないと物事がうまく運ばないタイプだったんです。本番に弱くて事前準備がないと何もできないというのがトラウマみたいになっていて、入社当初は議事録も取れず、専門用語もわからなくてずっとテンパってました。それで、ある日上司から「君は今日はもう(営業に)同行しなくていいから」って言われちゃって。本当にこのままじゃまずいなと思って、どう自分を管理しようか自分なりに考えるようになりました。

ーー『実行の鬼』にも書かれていますが、その時にヒントになったのが刑務所のドキュメンタリーだったそうですね。

ゴンドー優希:テレビで見たドキュメンタリー番組でした。とにかく刑務所の生活というのがとても規則正しくて、ある意味で感銘を受けたんです。これだけ毎日、本当に無駄なことができない環境で同じことをルーティンとしてやり続けたら、無駄な悩みも無くなって清々しく仕事ができるのではないかと思いました。そこに影響されて、当時は「朝何を着るかで迷うのを防ぐため、寝る時にはパジャマではなくワイシャツを着る」みたいなくだらないこともやっていたんですが、そういった試行錯誤の中で考えたのが、毎日仕事でやるべきことをノートに書いて時間割を作り、仕事に取り掛かる前に事前準備するという方法です。

ーーそれを実行するようになった結果、目覚ましい成果が出るようになったと。

ゴンドー優希:事前準備があるおかげで心も落ち着いて、目の前のことに集中できるようになりました。それに伴ってパフォーマンスが上がった実感はありましたし、営業成績も上がり始めました。まず、入社1年目の9月に、新人最速で契約をとったんですよ。そこから仕事を色々と任せられるようになって、3年目でNECの全営業マンの中でトップの成績を出せました。

ーーそういった成果を出すことで、どのような心理的変化がありましたか?

ゴンドー優希:まず、自分への満足度がすごく上がりました。「俺、できるじゃん」みたいな。それをひけらかしたりアピールしたりはしませんでしたけど、自分の中では初めてだなっていうくらい自分を褒めることができたんです。また、「今まで周囲の人と自分の間に能力差があると思っていたけど、意外にみんな僕と同じように流されちゃっていて、やるべきことができていない人もいるんじゃないか」と思うようになりました。やるべきことをやるだけで成果が出たんで、ひょっとしてみんな悩んでいる大きな障害を克服したのかなと感じましたね。

ーーその後は独立されたそうですが……。

ゴンドー優希:4年目で退職しました。自分で起業して、今でいう営業代行の仕事を個人で受けるようになりました。当時はリーマンショックの時期で、NECみたいな電気メーカーが影響をもろに受けて賞与がカットされたりしていたので、だったら自分でやった分だけ稼げる方がいいなと思ったんです。そこからいろんな商材を扱うようになって、個人で成績を積み上げていきました。

ーー現在は、より幅広い事業を手掛けているそうですね。

ゴンドー優希:個人での営業代行事業を28歳くらいまでやって、そこからは会社を新しく作ってお店をやったり、講演やオンラインサロンの仕事もしています。店舗としては、東京の新橋にある中華とレモンサワーのお店、日本橋にあるオーガニック自然食を扱った雑貨屋を経営しています。

ーー講演というと、企業に頼まれて話しにいく形なのでしょうか?

ゴンドー優希:そういったこともありますし、オンラインサロン内のトレーニングとして行なうこともあります。オンラインサロンは、僕のやり方を書籍で伝えるだけではなく、仲間で集まって教えを実践できる場があればということで開設しています。起業したりフリーランスでやっていきたいと考えている20〜30代くらいの人向けに、サロンを通じてリアルにサポートができる場があったらいいなと思っています。

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