【ラノベ最新動向】久々の『フルメタル・パニック!』や人気シリーズの新刊も 2024年1月の注目ライトノベル
ライトノベルのラブコメ人気は2024年も衰えておらず、新シリーズが続々と登場してバラエティーに富んだ恋愛事情を見せてくれそう。第8回カクヨムWEB小説コンテストでラブコメ部門《大賞》を受賞した3pu『俺の幼馴染はメインヒロインらしい。』(スニーカー文庫)は2023年12月28日に発売済み。タイムリープをして2度目の人生をやり直している街鐘莉里の絶望していた心を幼なじみの水無月彩人が救ったことから、本来はモブだった彩人がメインヒロインの莉里と仲良くなっていくという、工夫された展開を持ったラブコメだ。
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の伏見つかさによる新刊『私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない』(電撃文庫)は、容姿端麗で学業優秀でスポーツも万能でおまけに金持ちという千秋がなぜか女子にまったくモテずにいたところ、ある事態が起こってそれは双子の妹の楓にも及んでいたという、不思議な設定から始まる異色のラブコメ展開を楽しめそう。1月10日発売。
『寄生少女サナ』シリーズの砂義出雲による『隣の部屋のダ天使に、隠しごとは通じない。』(MF文庫J)は、世界人口の半数を死に至らしめた「人類の敵」の息子である高校生と、天国から派遣された怠惰で人見知りな美少女堕天使がバディとなって悪魔による超常犯罪に挑むストーリー。ファンタジーにラブコメとミステリが混ざった作品となりそうだ。1月25日発売。
シリアスな作品も登場。夏海公司『セピア×セパレート 復活停止』(電撃文庫)は3Dプリンター技術が発達して、バックアップから生命を再生できるようになった未来が舞台。異動辞令を受けながら意識を失ったエンジニアの園晴壱が復元されて目覚めると、復元直前の記憶を失っていて、保険調査員の殿森空から保険金詐欺として多額の債務返済を迫られる。身に覚えのない疑いを晴らすために空と手を組んだ晴壱がたどり着く真相とは? SF設定のミステリとして楽しめそうだ。1月10日発売。
キャラクター小説系では、白野大兎『雨の魔術師 少女の恋と解けない呪い』(富士見L文庫)が面白そう。魔術学園を舞台に、突如魔力を失って落第生となったシャロムが、優等生のユエルから試験の相棒に指名されて始まる2人の「呪い」を解こうとする活躍が描かれる。バディものの恋愛ミステリを楽しめそうだ。1月13日発売。
仲村つばき『愚痴聞き地蔵、カンパニーのお家騒動に巻き込まれる。』(集英社オレンジ文庫)は、会議室で愚痴を聞いてくれることから地蔵のような存在だと思われている化粧品メーカーの総務部社員、朝井詩央が次期社長の選定という重大任務を社長に与えられる展開。会社にありがちな悩みや問題と、その解決法に触れられそう。1月18日発売。同じ著者の『彼女はジャンヌ・クーロン、伯爵家の降霊術師』(富士見L文庫)も1月13日発売。こちらは霊が見えて物言いもストレートな伯爵家の次女ジャンヌが、悪霊を蹴散らして進むカッコ良さに触れられそう。
ソングライターでボカロPのsasakure.UKの人気楽曲を、SF作家の人間六度が小説化した『トンデモワンダラーズ』(メディアワークス)が『上〈テラ編〉』と『下〈カラス編〉』で1月25日に発売。かわり映えのしない日常からトンデモな冒険へと飛び込んでいった2人は、本当の自分を見つけることができるのか。1月25日発売。