【推しの子】4週限定の番外編がスゴかった 本編休載の不満を読者に抱かせない、横槍メンゴの手腕
第1回は「MEMちょ」。アイドルグループ(新生)B小町のメンバーのMEMちょは、もともと人気インフルエンサーであり、その印象的な名前からも奔放なキャラクターに思えるが、実は家族のために「アイドルへの夢」を一度は犠牲にした苦労人であり、周囲を気遣える優しさも持った人物だ。キャッチーな存在感はあるが、本編でフォーカスが当たるエピソードが必ずしも多いとは言えず、今回の短編は彼女を推すファンにとって、その内面が覗ける貴重な回になっていた。
第2回は「鳴嶋メルト」。言葉を選ばずにいえば、当初は“顔がいいだけの軽薄なタレント”に見えたメルトだが、そこから大きく成長し、いまでは多くのファンに愛されるキャラクターになった。「天才」が多く登場する本作のなかにあっては共感しやすい存在で、今回の短編でもそのサクセスストーリーの一端を垣間見ることができた。
そして第3回は、アイやルビーを除いて“2大ヒロイン”ともいうべき、有馬かな&黒川あかねが登場。役者としても、アクアに思いを寄せる女性としても、ライバルといえるふたり。元天才子役だったかなの姿を見て俳優を目指したあかねはもちろん、かなも天性の舞台俳優であり、形式的なものとは言えアクアと“恋人関係”にあったあかねをバチバチに意識しており、その関係性が掘り下げられるエピソードはまさしくファンへのご褒美だった。
いずれにしても、『【推しの子】-interlude-』のおかげで、ファンは休載期間をストレスなく乗り越えることができた。「本編じゃないし」とスルーしていた読者は、アプリ「ヤンジャン!」、または「少年ジャンプ+」でも読むことができるので、ぜひチェックしよう。