【ライトノベル最新動向】「とある」シリーズに新展開、「みーまー」完全版も 3月の注目作を一挙紹介!
『スクライド・ザ・ブラッド』の三雲岳斗が、今の電撃小説大賞にあたる電撃ゲーム小説大賞《銀賞》と日本SF新人賞、スニーカー大賞特別賞を並行して受賞していたことは知られた話。エンターブレインえんため大賞佳作の『狂乱家族日記』がTVアニメ化された日日日に至っては、実写映画化された『私の優しくない先輩』で第1回恋愛小説コンテストラブストーリー大賞も受賞し、ほかに角川学園小説大賞優秀賞、MF文庫J新人賞編集長特別賞なども受賞してライトノベル界に驚きをもたらした。
第29回電撃小説大賞《金賞》を受賞して3月10日に発売される『ミリは猫の瞳のなかに住んでいる』(電撃文庫)の四季大賀も、そうした複数受賞者のひとり。『わたしはあなたの涙になりたい』(ガガガ文庫)で第16回小学館ライトノベル大賞の大賞を獲り、『このライトノベルがすごい!2023』(宝島社)の新作部門1位となった話題の新人による作品だけに、どのような内容なのかと関心が集まっている。
瞳をのぞき込むことで過去を読み取り追体験する能力を持った大学生の紙透窈一は、野良猫の瞳をのぞき込んだことで未来視の能力を持つ少女・柚葉美里と出会い、衝撃的な未来の話を聞いてしまう。過去と未来が錯綜するアクロバティックな設定の上で繰り広げられる、ボーイミーツガールの物語を楽しめそうだ。
こちらはガールミーツガールと言えそうな、3月10日発売のアサクラネル『わたしの百合も、営業だと思った?』(電撃文庫)。最推しのアイドルだった鐘月かりんが「卒業」してしまい、寂しがっていた若手女性声優の仙宮すずねが所属する事務所に、当のかりんが新人声優として入って来た。憧れのアイドルが後輩に! そんな展開から始まるふたりの関係に注目だ。
3月刊行の電撃文庫では、「とある魔術の禁書目録(インデックス)」シリーズの新展開となる『とある暗部の少女共棲(アイテム)』に興味を誘われる。学園都市の暗部にあって表沙汰にはできない仕事を請け負うチーム「アイテム」の活動を描いた作品で、メインキャラクターは本編にも登場する滝壺理后、フレンダ=セイヴェルン、絹旗最愛、麦野沈利の4人。それぞれの後の運命を浮かべつつ読むと、いろいろな感情が浮かびそうだ。
シリーズものでは、3月17日発売の屋久ユウキ『弱キャラ友崎くん Lv.11』(ガガガ文庫)、同じく3月17日発売の竹町『スパイ教室 短編集04 NO TIME TO 退』(ファンタジア文庫)、3月29日発売の長月達平『Re:ゼロから始める異世界生活33』(MF文庫J)、3月25日発売の木緒なち『ぼくたちのリメイク12 「おかえりなさい」』(MF文庫J)が登場予定。『Re:ゼロ』最新刊では、いよいよ幕が切って落とされた帝都ルプガナを舞台とした帝国史に残る大乱が描かれる。『ぼくたちのリメイク』はシリーズ完結編。リメイクした人生で仲間たちと作ったゲームは成功するのか? 刊行が待ち遠しい。
作者に注目したいのが、3月25日発売の柳内たくみ『狐と戦車と黄金と1 傭兵少女は赤字から逃げ出したい!』(MF文庫J)。自衛隊が異世界のモンスターたちと戦うベストセラー作品『ゲート』の作者による新シリーズで、武力によるバトルと商品取引などマネーによるバトルが合わさった展開から異世界をより立体的に感じられそうだ。
タイトルに誘われるのが3月17日発売の日日綴郎『あのね、じつは、はじめてなんだ。 ゆるそうでうぶな彼女との初体験まで、あと87日』(ファンタジア文庫)と、ヰ森奇恋『「一緒に寝たいんですよね、せんぱい?」と甘くささやかれて今夜も眠れない』(ファンタジア文庫)。繰り広げられるのはめくるめく官能の世界か、それとも甘いラブストーリーか?
3月1日発売の半田岬『南国カノジョとひとつ屋根のした』(スニーカー文庫)はもう少し明るいドキドキを楽しめそう。ダイビングショップに居候することになった少年と、人前でも平気で着替える南国少女の出会いがもたらす恋と青春のストーリーを味わおう。