メディアミックスで原作は売れるのか? 『超かぐや姫!』『閃光のハサウェイ』席巻のラノベランキング

メディアミックスで原作は売れるのか?

 Netflixで配信されて大評判となった山下清悟監督の長編アニメ『超かぐや姫!』。2月20日スタートの期間限定の劇場公開では予約で満席となる映画館が既に続出している。その人気はノベライズにも及んでいるようで、Rakutenブックスのライトノベル週間ランキング(2026年1月9日~15日)で桐山なるとによる小説版『超かぐや姫!』(原作:スタジオクロマト・スタジオコロリド/ファミ通文庫)が1位となった。

 基本的にはアニメと同じ展開で、母親のプレッシャーを逃れ東京で一人暮らしをしながら勉強にアルバイトに精を出している女子高生の酒寄彩葉が、輝く電柱から赤ん坊の姿で現れみるみる成長した少女「かぐや」に引っ張り回され、仮想空間「ツクヨミ」で戦ったりライブをしたりするというストーリー。アニメではそうした音楽やアクションの派手さに目を引かれるが、小説はどこか鬱屈したところがある彩葉の心理をすくい取り、かぐやとの出会いでだんだんと代わっていく様子を読み取れる。


 映画絡みの作品では、公開中のアニメ映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』の原作で、『機動戦士ガンダム』監督の富野由悠季が書いた『閃光のハサウェイ』(角川スニーカー文庫)が5位に上巻、9位に中巻、10位に下巻と3冊そろってランクインした。1989年から90年にかけて刊行され37年は経っている作品だが、映画の高い評判もあって読み直されているようだ。

 3部作の映画で中編にあたる『キルケーの魔女』の内容は、小説では中巻に当たっている。汎地球連邦組織「マフティー」に合流したハサウェイ・ノアが主にオーストラリア大陸で活動するところに、ギギ・アンダルシアという少女が絡んでいく展開がほぼ映画のストーリーに沿って描かれている。ギギが地球連邦軍のキルケー部隊を率いるケネス大佐の側にいたメイス・フラゥワーという女性に何か小声で耳打ちし、メイスが怒ってギギを平手打ちするシーンでギギが何を言っているかが、小説を読めばはっきり分かる。




 2位は、顎木あくみの超人気シリーズ最新巻『わたしの幸せな結婚 十』(富士見L文庫)が3月13日の発売を前にランクイン。久堂清霞と美世の夫婦が新婚旅行も兼ねて赴いた旧都への旅行で騒動に巻き込まれる。仇敵の土蜘蛛に関する手がかりを探そうとする清霞と美世だったが調査は難航。そんな中でふと訪れた寺で耳にした逸話をきっかけに、土蜘蛛の謎へと迫っていく。幸せな結婚に至ってもなお落ち着かない2人だが、それがかえって関係を深めているようだ。

 3位は、川原礫の超人気シリーズ最新刊『ソードアート・オンライン29 ユナイタル・リングⅧ』(電撃文庫)。仮想空間《アンダーワールド》を揺るがす大戦が始まる中でキリトも活躍するが、《整合機士団》団長のエオラインが囚われの身となり驚きの出会いを果たす。《ユナイタル・リング》はまだまだ激動の展開が続きそう。4月10日発売予定。

 4位は、大森藤ノ「ダンまち」シリーズのスピンオフとなる「ファミリアクロニクル」のシリーズ最新巻『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeヘイズ』(GA文庫)。オラリオ最強の【フレイヤ・ファミリア】にあって治癒師(ヒーラー)として圧倒的な力を持ち、治癒部隊『満たす煤者達(アンドフリームニル)』のトップに立つ女性冒険者がいかにして【女神の黄金(ヴァナ・マルデル)】の二つ名を得るに至ったかが描かれていそう。本編では【フレイヤ・ファミリア】が【ヘスティア・ファミリア】に敗れ、酒場「豊穣の女主人」で働かされる中でコミカルさが漂い始めているが、こちらでは狂信的なフレイヤの信奉者だった頃のヘイズが見られそう。5月14日発売。

 6位は、トール『継母の心得8』(レジーナブックス)。漫画の世界の悪辣継母キャラに転生してしまったイザベルが、息子のノアの可愛らしさに悪い母親ではいられず、メロメロになっている様子が綴られているシリーズ。イザベルの実家で働くドニーズが行方不明となり、ドニーズの娘で聖女のフローレンスまで攫われるアクシデントの中でイザベルの力が発揮される。3月3日発売。

 7位は、Roy『神達に拾われた男18』(HJノベルス)。神様たちの厚い庇護の下で異世界に転生した竜馬が、従魔コルミの行動範囲を樹海の屋敷に止まらず劇的に拡大させる策を実現するというストーリー。樹海でとれた食材や資材を使った新しくて楽しげな展開が見られそう。3月19日発売予定。

 8位は、佐島勤によるシリーズ最新巻『続・魔法科高校の劣等生 メイジアンカンパニー11』(電撃文庫)。魔法至上主義団体FAIRの首領だったロッキー・ディーンがついに先史魔法文明の秘術「ギャラルホルン」を発動させ、人間が持つ破壊衝動を解き放ったことから世界に大混乱が発生する。「ギャラルホルン」の蠢動に司波達也を陰から支えていた黒羽家の文弥と、スターズ所属の戦略級魔術師リーナが立ち向かうというスリリングな展開を楽しめそう。3月10日発売。「魔法科」シリーズはは5月8日にアニメ映画として『劇場版 魔法科高校の劣等生 四葉継承編』の公開も控えており、これから盛り上がっていきそう。

 11位以下では、TVアニメの静かな演出が評判となっている鵜飼有志によるシリーズの最新刊『死亡遊戯で飯を食う。9』(MF文庫J)が27位に入り、こちらもTVアニメが放送中の成田良悟『Fate/strange Fake7』が発売から3年経っていながら46位に名を連ねた。一条岬『君が最後に遺した歌』(メディアワークス文庫)も2020年12月発売から約5年経ちながら41位に登場。こちらはなにわ男子の道枝駿佑と実写版『SAKAMOTO DYAS』で大佛を演じることが決まっている生見愛瑠の出演による実写映画が3月20日に公開予定。メディアミックスはやはり小説の売上げにも有効なようだ。

※参考:Rakutenブックス「ライトノベル 週間ランキング」 

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