【ライトノベル最新動向】審査員騒然の新人賞受賞作や「SAO」川原礫のデスゲーム新作が並ぶ 11月発売ラノベを徹底解説

10月発売ラノベを徹底解説

 ラブコメの方も相変わらず元気一杯だ。11月1日に出た水戸前カルヤ『地下鉄で美少女を守った俺、名乗らず去ったら全国で英雄扱いされました。』(スニーカー文庫)は、タイトルどおりに地下鉄で助けられてテレビに出て、「千年に一人の美少女」と有名になった少女と助けた少年が同じ学校で出会ってしまって起こるドタバタ劇。少女はヒーローを探しているが、平穏を求める少年は絶対に言い出さない。それでも惹かれ合っていく2人。何が起こるか楽しみだ。

 11月25日発売のすかいふぁーむ『聞いてくれますよね? 先輩』(ダッシュエックス文庫)も面白そう。男子高校生の生野健斗が暮らすアパートに押しかけてきた学園きっての美少女、天原葵が幼い頃に健斗が作ったという「何でも言うことを聞く券」を持っていた。彼女はいったい何を健斗に願うのか。それを健斗は受け入れるのか。読んで確かめよう。

 そそられるタイトルの作品が、11月18日発売の日の原裕光による『ニチアサ好きな転生メイド、悪を成敗する旅に出る ~気づいたら、ダメ王国を立て直していました~』(ファンタジア文庫)。ニチアサとはいわゆる日曜朝に放送される子供向けのテレビ番組。それが大好きな少女ユキが就職活動に失敗したところで異世界転生が起こり、気がつくと身分を隠して世直しの旅をする姫のメイドとして同行していた。ニチアサで学んだ正義の心を燃やして悪を成敗するユキの活躍ぶりに期待大。

 SFでは11月1日発売の佐原一可『EVE -世界の終わりの青い花-』(HJ文庫)が設定からなかなかにハード。人類の未来を計算する方程式があり、その解を出力する端末として生み出された言語機械の女・青子と十二歳の少女・イヴが登場。舞台を宇宙へと移して酸素が減っていき混乱する宇宙船の中で、イヴが自分が殺される未来を視たことで、不可能な脱出に挑むストーリーが繰り広げられる。

 ファンタジーは11月18日に上下巻で発売の喜咲冬子『竜愛づる騎士の誓約』(集英社オレンジ文庫)が重厚そう。騎士にも魔道士にもなれないセシリアは、王佐の騎士となることを目指していたが、学院を訪れ儀典の衛士を選ぼうとした王女と知り合い、謀略や戦いに巻き込まれていく。歴史に秘められた闇に迫るような展開もあるようで、奥深い物語を楽しめそう。

 動物に癒やされる作品も。11月15日に発売の尼野ゆたか『お邪魔してます、こたつ犬』(富士見L文庫)は、こたつに入った犬が部屋にいて、OLの疲れそうな日常の作業を代わってくれるという話。自分の部屋にも犬がいて欲しいと思えてきそう。11月18日発売の昏式龍也『ここでは猫の言葉で話せ3』(ガガガ文庫)は、猫が苦手な元暗殺者のロシア人少女が猫に翻弄されるというシリーズの最新作。どんなドタバタを楽しめるのか。乞うご期待。

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