【漫画】モブキャラとヒロインは恋に落ちるか? Twitterで話題『チュー公とスミレさん話』が微笑ましい
腰巾着と美少女の組み合わせが好き
――本作を制作しようと考えた経緯を教えてください。
マナコ:私自身、「番長の腰巾着キャラ」と「ヒロイン格の美少女」の組み合わせが好きで、数年前からチュー公とスミレさんが登場する3ページほどの漫画を描いていました。当時はただの落書き漫画のつもりでしたが、その後チュー公とスミレさんで描きたいネタがいくつも浮かび、Twitterに不定期に短い漫画をアップするようになったんです。その後、キャラの設定やストーリーがどんどん膨らみ、長めの話も頭に浮かぶようになったのですが、描くことに時間がかかりそうなので躊躇していました。
――本業ではないなかで、長い話を描くことを決断するだけでも大変そうです。
マナコ:はい。ただ、次にどんな漫画を描こうか迷っていた時、Twitterのアンケート機能でフォロワーさんにアンケートを取ったところ、「チュー公とスミレさんの長い話」が1位になったんです。引越しや出産など多忙な日々が続いたため、制作時間があまり取れず、ネームを描き始めてから漫画が完成するまで半年ほどかかりました。
――ちなみに、「番長の腰巾着キャラとヒロイン格の美少女の組み合わせ」が好きになったキッカケは何ですか?
マナコ:西森博之先生の『今日から俺は!!』や、吉田聡先生の『ちょっとヨロシク』の影響です。引き立て役にも報われて欲しいなあ、と。本作において、王道の少年漫画の場合、主人公はジョニ男でチュー公はモブ。王道の少女漫画ですと、主人公は陽子でスミレさんは邪魔者になります。ただ、“メインではないキャラクター達が気付いたら恋愛関係になっている”という展開が好きで、「メインではないキャラに光をあてる物語を描きたかった」という感じです。
「アイコラ写真」への違和感
――キャラクターたちの表情がコロコロ変わり、活き活きとしているのが印象的です。
マナコ:表情がすぐに崩れる二枚目キャラが大好きなので、そんなキャラクターばかり描いています。とにかく暑苦しさを表現することを意識しており、特に口を大きく描くようにしています。
――スピード感がありながらも、引くところは引く、という緩急が絶妙な内容でした。
マナコ:突っ走るシーンでは、とにかくスピード線はたくさん描くようにしています。また、一番のヤマ場と決めていた、チュー公の「写真でも人の首を切るのは怖い」というコマが生きるように展開のスピード感は注意深く調整しました。
――その緩急を意識した表現も相まって、かつてアイコラ写真を作られてしまったことがトラウマになっているスミレに対する、チュー公の「写真でも人の首を切るのは怖い」とセリフがより一層ドキッとさせられるものになりましたね。
マナコ:漫画『ごくせん』でヤンクミが生徒から、トップレスのグラビア写真の顔部分に、自分の顔写真を貼られたものを黒板に張り出され……というシーンがありました。そのシーンを読んだ時、「私だったら自分の顔をグラビア写真等に貼られるのも嫌だけど、そもそも自分の写真の首が切られるのもかなり嫌だなあ」と思った過去があり、本作ではそういう話にしました。
――その気づきにリアリティがありました。今後の活動について教えてください。
マナコ:これからもTwitterに創作漫画を上げていきたいと思っており、チュー公もまだまだ描きたいです! また、「仕事としての漫画も描きたい」とずっと思っているので、ご依頼があれば是非よろしくお願いします。