【漫画試し読み】もしも非戦闘員キャラが超絶的な力を秘めていたら? 漫画『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』に注目!
冒険者のパーティーで人気なのは、やはり剣士とか槍使いといった戦士系。ダンジョンのモンスターにトドメを刺して名声やお宝をかっさらっていくのは、たいていはそうした戦士たちだから。もっとも、盾となって攻撃を止めたり受け流し(パリィ)したりする能力も極めればとてつもない戦力になる。あるいは付与術も。9月13日に第7巻が出た『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』(漫画:アラカワシン、原作:戸倉儚、キャラクター原案:白井鋭利、モンスターコミックス)の主人公、ヴィム=シュトラウスの底知れない強さが、そんな付与術の凄さを見せてくれて、秘められていた力がぶちまけられる快楽を与えてくれる。
付与術師は戦わない。冒険者パーティーのメンバーに術をかけて、戦闘力だとか魔力だとかを高めるのが仕事。それによって戦士や魔法使いのレベルを上げてモンスターを倒しやすくする。もっとも、元からそれなりの力を持っている戦士や魔法使いなら、付与術がなくても十分に戦える。足りないなら剣士や魔法使いを仲間に加えて攻撃力を高めれば良い。
『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』 第1話を読むには画像をクリック
だから付与術師は人気がない。ヴィムが【竜の翼(ドラハンフルーグ)】というAランクまでもう少しのBランクパーティーに置いてもらえたのも、付与術の力だけというよりはギルドに出す書類の作成や冒険の準備といった雑用をしっかりこなしていたから。リーダーのクロノスが、同じ男子でも自分より絶対に目立たないヴィムをお情けで置いてあげていたところがあった。その関係が変わる。激変する。
第九十七階層の階層主(ボス)を【竜の翼】が倒した快挙の裏で、直接は戦わないはずの付与術師のヴィムがほとんどひとりで戦っていた。その事実を認められないクロノスは、ヴィムを【竜の翼】から追い出してしまう。無職になったヴィムは、同郷という関係を超えてヴィムのことを見張っているハイデマリーという女子から、彼女が所属する名門パーティー【夜蜻蛉(ナキリベラ)】に誘われる。
そして物語が動き出す。
Bクラスのパーティーを追い出されたら、Aクラスのパーティーから誘われたというのはとてもラッキーなことだけど、その前に付与術師に過ぎないヴィムがどうして階層主を倒せたのかという疑問が浮かぶ。いったい何があったのか。それこそが『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』という物語における注目ポイントであり、ヴィムに対する興味をストーカーのハイデマリー並に引っ張り出される理由だ。