【漫画】本当に醜いのは寄生生物か人間かーー創作漫画『蟲に寄生された少女を駆除する話』に続編希望の声
キッカケは害虫VS害虫の動画
――なぜ『蟲に寄生された少女を駆除する話』を制作しようと思ったのですか?
橘10:「少しファンタジーやダーク要素のある話を描きたいな」と思っていた時、当時はYouTubeで“害虫VS害虫を戦わせてみた系の動画”を結構見ていました。関連動画に出てきた“カマキリに寄生するハリガネムシの動画”を見て、「これが人に寄生したらどうなるんだろう?」といった感じで柚葉のキャラクターが出来上がりました。
また、“人と人語を話す人外がバディを組む”みたいな関係性が好きなので、カイと、蟲のリリーが相棒関係にある設定にしました。その際、「ちょっと気色悪い生物の方が自分の作画にはギャップが生まれて面白いかな」と思って蜘蛛にしました。
――人間の内面にも迫る内容でした。ストーリーを制作する際、特に意識したことはありますか?
橘10:「ただ敵の蟲を倒す話ではなく、登場人物の心の闇に寄生する蟲を駆除する話にすれば、1つのお話が描ける」と思って描きました。世界観は全てファンタジーにしてしまうと説明が多くなるため読み手が疲れてしまうと思い、現代社会と蟲の要素を混ぜてリアリティを意識した結果、作中のような世界観になりました。
次回作に意欲十分
――柚葉から蟲が出るシーンはとてもゾッとしました。
橘10:描いている側が思っている以上に、読み手からするとグロテスクに見えてしまう可能性があります。ですので、あえて蟲の描き込みを少し控えめにしました。その代わり、柚葉の表情に注目してほしくて、「なぜ彼女がここまで寄生されても自分の内情を話さないのか……」ということが伝わる絵になるように意識しました。
――続編を期待する声もありますが、『蟲に寄生された少女を駆除する話』は今回限りですか?
橘10:いえ。本作は大変反響があり、おっしゃるように漫画を読んでくれた方々から「続きが読みたい」と言ってくれる人が多く、主人公のカイがリリーに寄生されるまでのエピソードを次回のコミティアで販売しようと考えています。
――最後に今後の目標などお聞かせください。
橘10:今後の目標としては、今は会社勤めをしていますが、ゆくゆくは漫画一本で生活できるようになりたいです。今はどの出版社とも打ち合わせをしていない、完全に1人の状態です。今よりもっと絵柄やストーリーを磨き、「ゆくゆくは連載を持てたらいいな」と思っています。