4月発売のライトノベル、読むべき作品は? 阿智太郎の新作やラブコメの新機軸、話題のSFミステリが登場

4月発売のライトノベル、読むべき作品は?

 SFやファンタジーからも注目作が出る。まずは、菊石まれほによる第27回電撃小説大賞《大賞》受賞作の最新刊『ユア・フォルマIV 電索官エチカとペテルブルクの悪夢』。脳に張りめぐらされた特殊な糸によって人間がネットに直接アクセスできるようになった世界。最先端のテクノロジーが絡む犯罪に女性刑事エチカと、相棒でアンドロイドのハロルドが挑む物語は、ハロルドが追う恩師殺害事件の真相へと迫っていくSFミステリだ。

 バディものはファンタジア文庫からも登場。海月くらげ『鴉と令嬢 ~異能世界最強の問題児バディ~』で、同じ異能犯罪者を狩る組織に属し、同じように欠点をかかえた少年と少女が犯罪捜査に挑むスリリングな異能アクションを楽しめそうだ。

 4月28日発売のスニーカー文庫からは、『ひげを剃る。そして女子高生を拾う』のしめさばによる新刊『イレギュラー・ハウンド いずれ×××になるだろう』が出る。ヒリヒリとする青春の一場面を切り取った前作から一変、「ハチ」という少女に命を拾われた少年・桃矢は「イレギュラー」という特殊能力を見出され、警察の下部組織を管理するハチとともに裏社会を探ることになる。こちらもスリリングな異能アクションとなっていそうだ。

 4月19日発売のガガガ文庫からも、『空飛ぶ卵の右舷砲』でデビューして、樹木の異常発生によって荒廃した日本で生きる人たちを描いた喜田川信の新シリーズ『ソレオレノ』がスタートする。これも砂漠化する世界を救うため、古代遺物の虫型マシンを駆って戦う冒険者が主人公のアクションファンタジー。『カラーレス』(リイド社)の漫画家KENTがイラストを描き、カブトムシ型マシン「ソレオレノ」もデザインしているというからそちらにも注目だ。 

 ほかでは、『グッバイ宣言』に続くChinozoのボカロ曲『シェーマ』をテーマにした三月みどり作、アルセチカ絵の『シェーマ』がMF文庫Jから4月25日刊行。『グッバイ宣言』の4年後とストーリー的に続いていているようで合わせて読みたい。4月22日発売のダッシュエックス文庫では、とーわ『ログアウトしたのはVRMMOじゃなく本物の異世界でした2 ~現実に戻ってもステータスが壊れている件~』が登場。4月25日発売のオーバーラップ文庫からは、ソシャゲ小説を出してきた紙木織々の新シリーズ『かつて人だった貴方へ 1.最果ての魔女と葬送士』がスタートする。4月のライトノベルも豊富なラインナップで、読者を楽しませてくれそうだ。

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