今村翔吾『塞王の楯』など、直木賞・芥川賞受賞作がトップ3を独占! 文芸書週間ベストセラー解説

直木賞・芥川賞が売上ランク席巻

 そして次に注目されるのは、本屋大賞である。惜しくも直木賞受賞は逃したが、『塞王の楯』『黒牢城』と並んで最後まで高評価だったという逢坂冬馬の『同志少女よ、敵を撃て』、ブランチBOOK大賞2021を受賞したほか、昨年、数々のミステリランキングに入賞を果たした浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』、柴田錬三郎賞を受賞し、織田作之助賞の最終候補に残るなど、デビュー10周年記念作品にして最高傑作と呼び声高い朝井リョウ『正欲』。ノミネート10作品から3作がランクインしている。逢坂冬馬は1985年、浅倉秋成と浅倉秋成は1989年と、3人は生まれ年も近い。このなかで浅倉だけが直木賞ノミネート経験がないが、おそらく時間の問題ではないだろうか。

 劇団☆新感線の座付き作家であり、『キルラキル』など数々の人気アニメの脚本を手掛ける中島かずきも、『黒牢城』『同志少女よ、敵を撃て』『六人の嘘つきな大学生』のどれも読みごたえがあるとしたうえで、『六人の嘘つきな大学生』が一番好みだとコメントしている。人生をかけた就活の最終面接で暴かれる六人の嘘と罪。朝井リョウの『何者』とあわせて読んでみても、いっそう楽しいかもしれない。

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