SATCが帰ってきた! 『25年後のセックス・アンド・ザ・シティ』で描かれる現代の恋愛事情とは
日本ではまだ知名度の低い「モナリザトリートメント」(正体はぜひ本作で確かめてほしい)なるものから、20代〜30代のミレニアム世代にはお馴染みの恋活アプリ「Tinder」まで、しばらく恋愛から遠ざかっていたキャンディスたちにとっては真新しいものに出会う。戸惑いながら順応していく彼女たちの姿は頼もしく、クスリと笑えて勇気をもらえるだろう。そして同時に、インスタグラムでのフォロー稼ぎや、Tinderを通して未だに男性から“選ばれること”を意識する若い女性たちの姿が本作で描かれると胸がちくりと痛む。
良い面・悪い面、両方の変化に揉まれながら、キャンディスは最後にどんな結論に至るのか。本作は実話を基にしているが、SATC同様、あまりにも現実的すぎる日常がドラマのように輝いている。最後に、セックス・アンド・ザ・シティの大ファンで、序文を担当したコラムニスト、ジェーン・スーの言葉で締めくくりたい。彼女の言葉も感動的なので、お見逃しなく。
さあ、ページをめくって、思う存分夢の続きを楽しんで!
■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter:@bonoborico
■書籍情報
『25年後のセックス・アンド・ザ・シティ』
著者:キャンディス・ブシュネル
翻訳:長澤あかね
出版社:大和書房
http://www.daiwashobo.co.jp/book/b508729.html