『映像研には手を出すな!』水崎氏はなぜ”アニメーション”を選んだのか? 「アニメは一番濃厚」の意味

『映像研』水崎氏の目指す表現とは?

映像研という場が彼女の才能をより高みへと昇華させていく

 浅草氏が作り出すのは世界だ。人がいる世界。狸がいる世界。人型ロボットが動く世界。そして、その世界が紡ぎだす物語。しかし彼女には、それらを動かす技法がない。そこに動きを追求する水崎氏が加わった。彼女は浅草氏とは違い、世界を動かす技法を持っていた。しかし、世界を作り出す技法はない。この二人が組み合わさることで、世界が息を吹き込まれたかのように動き出す。そのことを誰よりも早く気づき、二人の才能を掛け合わせた金森氏にはさすがとしか言いようがない。

 世界を作り出す才能。世界に動きを与える才能。そしてそこに、音響部の百目鬼という強力な顧問が加わった。百目鬼の参画で、今まで自ら音を作り出せなかった映像研のアニメに音という大きな武器が加わった。これから彼女たちの作り出すアニメは、よりいっそう彼女たちの望む世界を体現したものへと近づいていくであろう。最強の世界。リアルな動き。これから彼女たちの才能がどう混ざり合い、どのようなアニメを作り出していくのか。これからの展開が楽しみで仕方がない作品である。

■水城みかん(みずき みかん)
経理・フィットネス・Amazon系を中心に各種Webメディアにて執筆。趣味は漫画・アニメ。AlexaとVODに依存したひきこもり生活を満喫中。

■書籍情報
『映像研には手を出すな!5』
大童澄瞳 著
価格:本体552円+税
出版社:小学館
公式サイト

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