さだまさし、朝ドラなどドラマ界で売れっ子に? 『石子と羽男』を導く温かな光

さだまさし、ドラマ界で売れっ子に

 さだまさしが10月3日より放送予定の2022年度下半期NHK連続テレビ小説(通称「朝ドラ」)『舞いあがれ!』の語りを担当することが発表された。

 さだまさしといえば、現在は『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)でドラマ初レギュラー出演中で、その前には3世代ヒロインの100年のファミリーヒストリーを描いた朝ドラ『カムカムエヴリバディ』に出演したばかり。

 今年4月に70歳になったさだまさしが、いったいなぜ今、ドラマで重宝されるのか。『カムカムエヴリバディ』と『石子と羽男』での演技を振り返ってみたい。

 『カムカムエヴリバディ』でさだが演じたのは、3世代をつなぐ鍵となるNHKラジオ英語講座、通称「カムカム英語」の人気講師・平川唯一だ。登場は第5週。夫を戦争で亡くし、再婚を勧められた初代ヒロイン・安子(上白石萌音)が娘・るいと引き離されそうになったことから、るいを連れて岡山を飛び出し、大阪でるいとの二人暮らしを始める。しかし、生活は楽ではなく、心身ともに疲弊した安子が軒先で聴いたのが、ラジオから流れて来る証城寺の狸囃子のメロディにのせた「カムカムエヴリバディ」、そして平川のあたたかく優しい声だった。

 その存在は、暗闇の中にいた安子のもとに降り注ぐ一筋の光であり、優しく差し伸べてくれた手のようでもあった。

 しかし、声だけの出演だったはずが、3代目ヒロイン・ひなた(川栄李奈)編において、3月18日放送分で初めて姿を現す。それは終戦50回忌のタイミング。18歳で岡山を離れて以来、初めて岡山に里帰りしたるいが神社を訪れると、傍らに、戦死して一度も会うことのなかった父親・稔(松村北斗)が現れる。時を同じくして、ひなたの前には聞いたことのないラジオ英語講座講師・平川が現れ、優しく語りかけるのだ。

「みんな誰でも最初は英語の赤ちゃんなんだよ」

 朝ドラでは魂が登場する作品が多いが、母と子が同時に、それぞれに出会う奇跡。窓の外に時空を超えてふわふわ明るい光のように現れた平川の違和感のなさは、さだの持ち味である軽やかにより成立したものだろう。

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