有村架純×中村倫也が語る、『石子と羽男』のグルーヴ感 笑えない珍トラブルエピソードも

有村架純×中村倫也が語る『石子と羽男』

 この夏、有村架純と中村倫也が珍トラブルに挑む。2人がW主演を務める7月期のTBS金曜ドラマ『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』がスタートし、視聴者からは有村と中村が演じる“石羽コンビ”に「愛おしい」との声が多く寄せられ、初回からすでに人気キャラとしてドラマファンの心を鷲掴みしている。

 有村が演じるのは、「真面目でコツコツ積み上げていく、そして石のように頭が固い」ことから「石子」と呼ばれる石田硝子。中村が演じるのは、「羽のように軽やかな性格」=「羽男」と自称しているが、実際は対応能力に欠けていて想定外のことが起こると思考回路が停止してしまう羽根岡佳男。正反対のようでどこか似た者同士の2人が、様々なトラブルに挑む中で自らのコンプレックスに向き合い成長していくリーガル・エンターテインメントだ。

 2021年4月期ドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系)ではほぼワンシーンながら共演している2人。今回、有村と中村にお互いに感じている役者のタイプ、また作品のテーマにちなんで、身の回りに起きたトラブルについて話を聞いた。なかには共演者に関するおもしろ(?)エピソードも飛び出した。

日本一贅沢なメイクルーム?

――クランクインしてから約1カ月以上(5月31日取材)が経ちましたが、現場の雰囲気はどうでしょう?

中村倫也(以下、中村):アットホームな感じで、楽しくやってますよね?

有村架純(以下、有村):はい、そうですね。レギュラーキャストが少ないので、わりと穏やかな空気感でゲストの方をお迎えして楽しくやっています。

――さだまさしさんとの共演はいかがですか?

中村:すごく嬉しいです。もちろん、さださんの曲は知っていましたし、僕がさださんの『ちゃんぽん食べたか』(さだまさしによる同名原作小説を映像化したNHKドラマ)で東京の下宿先の一家の謎の兄弟の役をハライチの澤部(佑)さんと二人でやったことをお話したりして。さださんのこと知っていたつもりだったんですけど、過去のライブ映像を観ていたら、めちゃくちゃかっこいい曲を最近見つけて、あぁ、改めて知れたなと思ったりしました。あと「今ツアー中でちょっとコソ練しなきゃなんだ」とギターを弾いてくれて、日本一贅沢なメイクルームだなと。本当に光栄だなと思う気持ちでいっぱいです。

――さださんは「有村架純さんが娘役なんて皆に羨ましがられるんじゃないか」とおしゃってましたが、有村さんはどうですか?

中村:それはそうですよ。

有村:私からしたら母親世代から羨ましがられます(笑)。連ドラにレギュラー出演されるのが初めてだとおっしゃっていましたけど。

中村:そうなの? 本当に?

有村:みたいです。さださんのご年齢でも初めてのことってあるんだなぁと、自分はまだ本当に豆粒なんだなぁって(笑)。

中村:豆粒(笑)。

有村:私も初めてご一緒できることがとても光栄です。

ーー赤楚衛二さんとおいでやす小田さんはどうでしょう?

中村:赤楚は赤楚だし(笑)、小田さんは小田さんだし、すごく安心感があるよね。

有村:赤楚は赤楚(笑)。

中村:あの子おもしろいよね。

有村:まっすぐで、ちょっと天然な。大庭(蒼生)さんの役にぴったりだなと。

中村:赤楚くんの持っている威力が存分に出る役ですよね。どうやったらこんなにぴったりのキャラクターを……「そのまんまやん!」ってくらい(笑)。小田さんはとてもキュートで、今作の隠れヒロインなんじゃないかと、昨日も芝居をしていて思いました。温かく魅力的で、いい人ばっかりです。

――石子と羽男を演じるにあたって、キャラクターとして意識していることはありますか?

有村:監督と羽男さんと私とみんなでキャラクターに対しての共通の認識を撮影1週間ぐらいですぐに持てたのは大きかったなと思います。どういう作品で、どうバランスを見ていくか、芯を捉えるところはどこか、テンポよく見せていく部分はどこなのか。その線引きを現場で探っていくというか。本当は引き算のつもりで読んでいたけど、一緒にやり取りしていると、足し算になっちゃったというのもあったり、でもそれは現場で生まれるものだからそれでいいんじゃないかとか、話しましたよね?

中村:そうだね。鮮度とかグルーヴ感みたいなものは、みんなアンテナを立てながらやっている感じはあるよね。この作品は、足りない二人がすったもんだしながら、あんまりかっこつかないけど、収まるところは収まる、みたいな話の連続なので。縦軸の成長も描かれながら、ある意味、ちゃんと“滑稽になったらいいな”と思ってやっていましたけど、予告を見たらすごくそれが出ていて。予告の切り取り方がうまいのかもしれないですけど、思った以上に、ちびっこ凸凹コンビの扮装劇というか、愉快な予感がしました。予告がおもしろい作品になると思います(笑)。

有村:あとは、服装もですし、羽男さんはブランディングのキャラクターなので、高価なお洋服をお召しになられていますよね。

中村:そうそうそう。お召しておられますよ。ネクタイの結び方にこだわっています。そんな結び方どこで学んだの? って。僕の鎖骨の間が折り紙アートみたいになってる。

有村:アートみたいになってますよね(笑)。

中村:キャラクターの設定は、もちろん前提としてありますけど、現場のノリが大きいです。キャラクターを決め打ちでやっていくよりも、都度都度よれていったほうが面白くなる予感がしているから。そういう意味では、羽男の場合はコンプレックスとか小心者というのを利用して、作劇上のいろいろなグラフを増幅させたり、凝縮させたりしながらやってます。でも、僕のことより小田さんを見てもらいたいという一心で、今のところはやっております。

――今回、お二人ががっつり共演してお芝居するのは初めてになるんでしょうか?

中村:初めてです。マクベスのポスターを渡したぐらいです。

有村:『コントが始まる』でマネージャーさんとして、マクベスのいちファンとして、ちょっとやり取りをしたぐらいです。

――今回共演して、お互いにやりやすいとか信頼できる部分はありますか?

中村:それは是非、有村さんに聞こ!(笑)

有村:『コントが始まる』のときから、この作品に出演するとことが決まっていたので、そのときに少しだけお話をしたんですけど、人として向き合ってくれる方だなと感じて。一緒に作品づくりする上で、心強い存在として、乗り越えられるだろうなと思ったので、クランクインのときには、大丈夫だなという気持ちしかなかったです。

中村:中村倫也には安心感があると?

有村:(笑)。すごく真面目な方ですし。

中村:安心感は言ってくれないんだ(笑)。

有村:……安心感がありました(笑)。

中村:あらあら。

有村:同じ目線でいてくださるので助かっています。

中村:いやぁ、嬉しいですね。多分、お互いに対する感度を上げて演じるタイプなんです。すごくコンビネーションとかグルーヴが生まれやすくて。何か予期せぬことが起こっても、チームとして乗りこなしやすいのかなと感じます。最初は、架純ちゃんみたいに泉の精のようで、清らかで、水晶のような人を前にしたら、僕が浄化されるか、僕が水晶を汚すかのどちらかかなと思っていたので(笑)。どうなるかなという緊張感はあったんですけど、わりと早めにそういう姿勢を、鈍感な僕でも感じられるように示してくださって。その嬉しさと、だったら僕ももっと頑張らなきゃなと気合が入りました。

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