ソニーのCrunchyroll買収、海外アニメファンの反応は? 業界への影響を分析

Crunchyroll買収、海外の反応は?

 8月9日(現地時間)にソニー・ピクチャーズ エンタテインメントとAT&Tが、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントがFunimationを通して、AT&Tのアニメ事業「Crunchyroll」の買収を完了したことを発表した。本取引にかかる確定契約の締結は2020年12月に発表されていた。

 Crunchyrollは、500万人以上のSVODサービス加入者を有し、成長を続けているアニメのDTC(Direct to Consumer)サービス。200以上の国と地域で1億2千万人を超える登録ユーザーに対し、AVOD、モバイルゲーム、マンガ、イベント、キャラクターグッズ、配信サービスを提供している。

 日本ではあまり馴染みのないCrunchyrollについて、アニメに造詣が深いライターののざわよしのり氏は、以下のように解説する。

「もともとは、日本のアニメに海外のファンが字幕をつけて違法配信していた海賊版サイトです。 やがて正式にテレビ局とライセンスを結び、法人となりました。作品配信のみならず、当初は海外のアニメファンにとっての交流の場としても機能していました」

 そんなCrunchyrollだが、今回のFunimationによる買収でどのような影響が出るのだろうか。のざわ氏は海外のアニメファンのリアクションについて「賛否両論」だと語る。

「Funimationはアプリの使い勝手の悪さやローカライズに伴う翻訳の改変などが度々取り沙汰されたこともあり、Crunchyrollユーザーとしては不安の声も多いようです。また、FunimationとCruncyrollはどちらも配信事業を手がけています。そのため、今後それぞれのカタログが1つのサブスクリプションサービスに統一されるのか、それとも一部作品は観られなくなるのかなどまだ不明の部分も多く、その行方が注目されています。一方『これで2つのサービスに加入する必要がなくなった』という喜びの声も見られます。今後のサービスの質が今回の買収が成功か否かを決めることになりそうです」

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