『映画 ギヴン』『海辺のエトランゼ』にみる、BLアニメーションの時代に合わせた多様化

 近年、ボーイズラブ作品がメディア展開される動きが活発になっている。

 最近では、ボーイズバンド内の恋愛群像劇を描いたキヅナツキ著のマンガ作品『ギヴン』が1クールでTVアニメ化され、後に映画化し、現在も公開中である。また、沖縄を舞台にして青年同士のリアルな恋愛を描いた紀伊カンナ著『海辺のエトランゼ』シリーズも9月11日より劇場公開され、いずれも男女問わず幅広い世代で人気を博している。

 男性同士の恋愛を扱ったボーイズラブは、腐女子と呼ばれるごく限られた層に属する読者のみが好む傾向にあった。しかし今では、性別に関係なく幅広い層へリーチし、1つの作品として受け止められるようになってきている。なぜ今、ボーイズラブ(以下、BL)が周知され、観られる傾向にあるのか。その理由として、現代における恋愛の在り方とセクシャリティへの理解、作品に見られる緻密な感情描写への共感、多様化する現代人の価値観などが挙げられると考える。本コラムでは、BLの普及と現代人に受容される理由について、順を追って綴っていく。

 まず今のBL作品が性別に関係なく観られる理由として欠かしてはならないのが、LGBTQへの理解と受容だ。近年、最も活発に議論され著名人をはじめとした多くの現代人が生活のトピックに挙げているのが、LGBTQへのアプローチであろう。日本でも東京レインボープライドやレインボー・リール東京などLGBTQに関わるイベントが開催されたり、当事者であることを公言している著名人の存在、“アライ”と呼ばれる当事者たちのセクシャリティを理解、支援する人たちを指す名称がビジネスにおいて使用されたりなど、あらゆる場面で耳にすることが多くなってきている。

 そういった動きが見られる中、同性同士の恋愛という意味でBLに焦点が当たり、より多くの人の目に留まるよう作り手側が積極的に作品を世に送り出し始め、結果、それまでクローズドの傾向にあったBLないし同性愛を扱った作品の露出が見られるようになったのではないだろうか。

 このようにBL作品の新たな台頭にはセクシャルマイノリティへの理解、受容、価値観の普及が大きな理由として考えられるが、他の理由として挙げられるのが作品そのものにおける描写の緻密さとリアルさだろう。

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