「ウィザードリィ」派生作品に「このラノ」5冠タイトルまで 3月のラノベは人気シリーズ新刊が続々

「このラノ」5冠作品ほか3月のラノベ新刊

 2026年3月のライトノベルは気になるシリーズの最新刊が続々と登場。蝸牛くもがRPG「ウリザードリィ」の世界観をモチーフに描く『ブレイド&バスタード6-冒険者達の凱歌-』(DERノベルス)は、迷宮の街《スケイル》に王太子が乗り込んで来るという新展開もあった第5巻から繋がるように、迷宮の中に強敵が現れ手練れの冒険者たちが失われていく事態が発生。イアルマスやガーベイジたちのパーティが迷宮の奥底を目指すという、いつにない緊張感を持った最新刊となっている。消えた王太子の行方や正体も気になるところだ。3月10日発売。


 黒留ハガネ『崩壊世界の魔法杖職人3』(MF文庫J)は宇宙から来た謎の物質によって発生したモンスターによって破壊された東京で、高いホビーの技巧を持った青年が特殊な力を発生させる鉱物を加工し、人類にモンスターと戦い暮らしも便利にする魔法を繰り出す杖や装置を作り出すシリーズの最新刊。1巻と2巻で5万部を記録したというからなかなかの人気ぶり。通常版でありながら2万5000字もの書き下ろし小冊子が付いて物語世界へのより一層の没入を誘う。3月25日発売。

 「このライトノベルがすごい!2026」で総合部門、文庫部門、新作部門の第1位に輝いた葵せきなのシリーズ最新刊『あそびのかんけい3』(ファンタジア文庫)は、ボードゲームカフェで働いている孤太郎が、女流棋士でカフェの常連にもなっている歌方月乃から衝撃の告白を受けるという展開に。同じボドゲカフェの店員で、孤太郎が本当に好意を抱いているみふるからイヤミも浴びつつ、2週間という告白への返答期限へと向けたドタバタとした日々が繰り広げられる。巧妙な関係の上ですれ違いぶつかり合う恋心を眺めて楽しめるシリーズだ。3月19日発売。

 「このラノ!2024」で5冠を達成した佐伯さんの人気シリーズ最新刊『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件12』(GA文庫)も登場。隣同士の部屋で暮らす中で近づいていった真昼と周のところに、真昼を「ねえさん」と及ぶ少年が現れ緊張が走る。家族から離れてひとり暮らしをしている真昼と家族との関係が浮かび上がり、彼女に新たな決断を迫る中、真昼を見守る周といったスイートな展開を今回も味わえそう。4月からTVアニメの第2期がスタートすれば、既刊も含め改めて脚光を浴びそうだ。3月14日発売。

 『あそびのかんけい』と並んで新作として好評なシリーズの最新刊となるニテーロン『転生程度で胸の穴は埋まらない4』(電撃文庫)は、魔王討伐を成し遂げたコノエが論功行賞に出席し、神から予言を受け取る権利を得ようとしたがそこに不思議な事態が発生。黒い蛇が現れ教官に死の運命が告げられ世界では迷宮の氾濫が発生する。予言を受け取ったコノエは世界救済のためにいったい何をするのか。スリリングなストーリーで読ませる異世界転生ファンタジーの最先端だ。3月10日発売。

 気になる新作ライトノベルを幾つか。タイトルの長さで挙げたいのが『異世界グルメで成り上がり無双 ~山に追放されたので、のんびりキャンプを楽しんでいたらいつの間にか強くなっていて、王侯貴族や実力者たちが俺を放っておいてくれません。一方、俺を追放した貴族たちは破滅が始まる~』(Kラノベブックス)。内容はタイトルどおり。主人公が得た一件無価値な「キャンプ」のスキルが実は貴重で、作るキャンプ飯はステイタスの爆上げを引き起こし、山で出会った者たちとともに偉業をなしていく。3月2日発売。

 カクヨム年間総合ランキング1位となった作品が月島秀一『極悪貴族、謙虚堅実に無双する ~原作知識と固有魔法<虚空>を駆使して、破滅エンドを回避します~』(電撃文庫)。超大作RPG『ロンゾルキア』に登場する悪役貴族のホロウ・フォン・ハイゼンベルクに転生してしまった主人公。シナリオ通りに進めば死亡確実の運命から逃れようと、原作の知識を活用し謙虚で堅実な生き方を選んで破滅エンドを回避していく。それでも襲ってくる運命とどう戦う? ハラハラさせられる展開を楽しもう。3月10日発売。

 加上汐『なりそこない侯爵』(GAノベル)は、後妻との子に家督を譲りたい実の父に疎まれ、命を狙われている侯爵家の少年・エルドルが主人公。そこで諦めることなく密かに取り組んでいた領地経営改革を成功させ、学園でも首席となって注目を浴び、王子にも存在感をアピールする。そして始めた逆境からの成り上がりが王族すら標的に入れた苛烈なもの。ドロドロの貴族政争を楽しめそうな新シリーズだ。3月14日発売。

 依依恋恋『王者の盤狂わせ ~ネット将棋の帝王、黄龍の王者と対峙する~』(GCN文庫)は『りゅうおうのおしごと!』でも描かれた将棋がテーマのライトノベル新シリーズ。ネット将棋の世界で生きる伝説となっている“自滅帝”の正体は冴えない陰キャの高校生。その彼、渡辺真才はリアルでも高校の将棋部に入ることになり、全国大会に参加する。ネット将棋とリアルな将棋の両方で活躍する姿を見られるのか。3月21日発売。

 『いつか憧れたキャラクターは現在使われておりません。』の詠井晴佳が早川書房から新刊を刊行。その『最高糖度をきみに』(ハヤカワ文庫JA)は触れあえないからこそ愛おしい未来の愛の形を描いた作品で、不幸な人だけが青春期に出逢う虚体の少女みあめと、10年前に出会ったことのある主人公が21歳になった時、再びめあみが今度は成長した姿で現れる。ファンタスティックな出会いの物語を楽しめそう。3月18日発売。

 第2回角川キャラクター小説大賞《大賞》となった澤村御影のシリーズが配信ドラマ化で注目を集める中、2年ぶりの新刊『憧れの作家は人間じゃありませんでしたEX』(角川文庫)が登場。女性編集者の瀬名あさひが担当した作家の御崎禅が実は吸血鬼だったという設定で始まったシリーズの外伝集で、人外が絡む事件を担当することになった警視庁の刑事が御崎とバディを組んで事件に挑んだり、御崎とあさひが船上デートしたりといったバラエティ豊かな作品が入っている。3月23日発売。

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