「作家さんが挑戦できるレーベルにしたい」 新創刊の文芸レーベル「MPエンタテイメント」野口俊樹が語る編集者の役目

MPエンタテイメント・野口俊樹インタビュー

今後期待したい「MPエンタテイメント」作品は

――第1弾として、『無気力探偵 面倒な事件、お断り[完全版]』とともに刊行される『怪異―百モノ語― 僕が君に語りたい百の怖い話』はどんな小説なのでしょうか。

野口:カクヨム(小説のWeb投稿サイト)で連載されていた作品の書籍化です。百物語形式の創作怪談で、実際に百話収録しました。ウェブ小説は基本的に横書きですし、読みやすさに必要な工夫も紙の書籍とは異なるので、改めて加筆修正いただいています。4月にKADOKAWAから刊行されたデビュー作『オウマガの蠱惑』と連携した書下ろし短編企画も行いますので、あわせてお楽しみいただければ。そんなふうに、出版社の垣根をこえて企画を打ち出せるのも、単行本の強みかなと思います。『無気力探偵 面倒な事件、お断り[完全版]』も、今の楠谷先生だからこその視点で加筆修正いただいたり、書きおろしの番外編を収録するなど、文庫版をお読みの方にも改めてお楽しみいただける内容になっています。

――今後、挑戦していきたいことは、ありますか。

野口:弊社には、世界遺産や将棋、IT系の分野に強いというアドバンテージがありますので、そのあたりの知識やネットワークを活かして、小説を展開することもできたらと思っています。あとは、具体的には言えないのですが、メフィスト賞受賞作家さんや星雲賞受賞作家さん、日本ホラー小説大賞でデビューされた作家さんなど、いろいろな方にもご興味いただいていますので、楽しみに発表をお待ちください。すべての人に刺さるものをつくるのは不可能だけど、自分がおもしろいと信じて、自分が好きだと思えるものを発信していけば、必ず共鳴してくれる人がいる、というのはこれまで生きてきて実感していることでもあります。私自身が読みたいものを、ジャンルの垣根を超えて読者に届くはずだと信じられる作品を、自信をもって送り出していきたいと思っています。

「MPエンタテイメント」、ひいてはマイナビ出版ならではの作品が出てくることに期待したい。

◼︎MPエンタテイメント:https://book.mynavi.jp/mpent/

「MPエンタテイメント」刊行予定ラインナップ

◼︎5月19日:
楠谷佑『無気力探偵~面倒な事件、お断り~[完全版]』


椎葉伊作『怪異ー百モノ語― 僕が君に語りたい百の怖い話』

◼︎6月:
楠谷佑『無気力探偵2~赤い紐連続殺人事件~[完全版]』

◼︎7月以降も続々刊行予定!
水鏡月聖:書下ろしミステリ小説
蒼月海里:書下ろし終末小説
十文字青:書下ろしファンタジー小説
久青玩具堂:書下ろしミステリ小説
藍内友紀:書下ろしディストピア小説
綾里けいし:書下ろしホラーミステリ小説
夢見里龍:書下ろしホラーファンタジー小説
森晶麿:書下ろしミステリ小説
※ラインナップは予告なく変更になる場合がございます。

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