『運命の巻戻士』は映画『TENET』級のタイムリープ作品? オカモトショウが今注目するマンガ3選

世俗側から神や自然といったものの”ヤバさ”を描く『んば!』

——そして3作目は『んば!』(熱焼江うお)。主人公の百田は、関東近郊の小さな警備会社に勤務している24歳の男性。法律、社内規則、一般常識など正しいとされていることに従いまくっているという、どうにも共感できないキャラクターですが……。
社畜という言い方が合ってるかわからないですけど、世俗のルールに縛られまくっていて、周りの人に「使えねえ」って言われていて。単純なラベリングでは“コミュ障”ということになるだろうし、「困ってる人がいたら助けなきゃ」「でも何の力にもなれないから警察に任せるしかないです」みたいな感じもあって、「なんだこいつ?」みたいなキャラクターですよね。でも、読んでいくと「誰にでもこういうところ、あるんじゃね?」って思っちゃうんですよね。綾小路きみまろの漫談で爆笑しているんだけど、「これ、自分のことじゃない?」みたいな状態というか(笑)。
——確かに。主人公の百田は社長の命令で牧場の害獣警備に行かされ、そこでとんでもないものを目にしてしまいます。
「家畜を食べる猿がいる」と聞かされていたんだけど、実際にいたのは猿よりも人に近い何かで。それを棒で叩いて追っ払うのが百田の仕事なんだけど、そこにいるのは一体なんだ?ということですよね。山奥の気みたいなものにあてられたのは、言葉は通じないんだけど、明らかに人の形をしていて。自治体や国もその存在を知っていて、叩いてどうにかするしかないという状況なんだけど、そんなことに加担させられるってヤバいですよね。気持ち悪いところもけっこうあるけど、マンガとして面白いし、『みちかとまり』に通じるものを感じました。『みちかとまり』が神や自然に近いところの視点から描いているのに対して、『んば!』は世俗側から描いているのかなと。あと、警備会社の社長もいいんですよ。最初はパワハラ社長だと思ってたんだけど、じつはかっこいい昭和の男でした。
『運命の巻戻士』『みちかとまり』『んば!』を読みながら聴きたい曲
芸能山城組「AKIRA REMIX」
アニメ映画「AKIRA」のサントラを久保田麻琴さんがリミックスした音源。コーラス、声が中心なんですけど、いろいろな国や地域の民族音楽の要素がありつつ、現代的なサウンドにリミックスされていて。特に『みちかとまり』には合うと思います。歌詞らしい歌詞はないので、読むときもジャマにならないんじゃないかなと。
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