【重版情報】芸術の核心にふれる一冊 岡崎乾二郎『近代芸術の解析 抽象の力』が重版決定

2018年11月に刊行された岡崎乾二郎『近代芸術の解析 抽象の力』が、ロングセラーとなり、このたび7刷が決定した。(「崎」はたつさきが正式表記)
著者は日本を代表する造形作家・岡崎乾二郎。本書では第69回芸術選奨文部科学大臣賞(評論部門)を受賞している。名著『ルネサンス 経験の条件』から17年、近代芸術はいかに展開したのか。その根幹から芸術の動態を把握しようとする本書は、美術史における画期的な試みとなっている。
20世紀美術の流れを見直し、真に芸術を動かした作家たち——ヒルマ・アフ・クリント、夏目漱石、ヴァネッサ・ベル、トーレス・ガルシア、熊谷守一、ダヴィド・ブルリューク、ジョン・D・グラハム、ゾフィー・トイベル=アルプ、坂田一男、ジョルジョ・モランディ、岸田劉生、恩地孝四郎、村山知義、白井晟一、イサム・ノグチ、長谷川三郎、瑛九、内間安瑆らの仕事を通じて、抽象芸術の可能性を明らかにしていく。
「キュビスム以降の芸術の展開の核心にあったのは唯物論である。戦後美術史の不分明を晴らし、現在こそ、その力を発揮するはずの抽象芸術の可能性を明らかにする」(本書より)
本書が発売されて以降、「岡崎乾二郎批評選集」として『感覚のエデン』を刊行し、第76回毎日出版文化賞〈文学・芸術部門〉を受賞。また『而今而後——批評のあとさき』も刊行し、こちらは2025年4月19日から東京都現代美術館で開催される展覧会「岡崎乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」のタイトルともなっている。展覧会では、2021年以降の作品を中心に展示され、東京での初の大規模個展として注目を集めている。
商品情報
著者:岡崎 乾二郎
価格:4,180円(税込)
発売日:2018年11月22日
判型:A5判
製本:上製
出版社:亜紀書房