「まるでONE PIECE!?」日本の中世にいた「海賊王」 藤原純友、なぜ日本史上最大の反乱を起こしたのか

日本の中世にいた「海賊王」 藤原純友
『風と雲と虹と 完全版 第壱集』

 実は藤原純友の出自には、大きく分けてふたつの見方がある。ひとつは、系図通りの藤原北家の貴族。だが、もうひとつは、伊予の豪族、越智氏の流れである高橋氏の出身ではないか、というもの。実際、昭和の大河ドラマ『風と雲と虹と』の原作のひとつになった海音寺潮五郎の小説『海と風と虹と』(朝日新聞社)では、後者の純友=伊予出身説が採られている。純友は元々、海に生きる人たちの問題意識を共有していたから、後に海賊となった、という考えだ。これは非常にわかりやすい。生まれた地域の問題は肌で感じやすいもので、ならば、海賊とのつながりも深いだろう。

 でも、近年の研究では、純友はどうやら、本当に藤原北家の出自だったのでは、という見方が強い。ちなみに北方謙三が純友を描いた小説『絶海にあらず』(中公文庫)では、こちらの説が採られている。

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