【ONE PIECE考察】Dの一族の正体とは? 歴史の真相を紐解く「神典」の読み解き方
※本記事は『ONE PIECE』単行本未収録の話の内容に触れる部分があります。連載を未読の方はご注意ください。
『週刊少年ジャンプ』2025年10号に掲載された、『ONE PIECE』第1138話「神典(ハーレイ)」が読者の話題をさらった。タイトルにもなった「神典」にて、世界に巻き起こった歴史の真相と思われる内容が、一気に描かれたのだ。
しかし、「神典」は難解な文章であるのも特徴で、明らかな事実の究明には至っていない。そこで今回はワンピース研究家の神木健児氏に、「神典」の内容考察や重要ポイントについて、話を聞いた。
「『神典(ハーレイ)』の登場は、『ONE PIECE』において近年稀に見る大事件ですよね。内容は『第一世界』『第二世界』『第三世界』の3つに分かれていて、それぞれが違う時代の出来事を表していると思われます。この『神典』の内容がすべて明かされたときは、『ONE PIECE』の世界のすべての歴史が判明するときでしょう。エルバフでも言われていたように、ファンの間でも『神典』の読み解き方は多種多様なんです。しかし壁画として描かれた絵よりは具体的で、文章として書かれているので大方のことは読者の予想に沿うのではないかと思います」
早速「神典」の内容について、神木氏に聞く。
「大雑把に言うと、第一世界の内容は『ある種族が人間族を奴隷にし人工エネルギーを作ったことで、大地が怒り災害によって滅んだ歴史』を、第二世界の内容は『ある種族と人間族が対立し、それによって滅ぶ世界にDの一族が嘆く歴史』を、第三世界の内容は『現在の支配者に太陽の神ニカが勝利し、初めて平和を獲得する歴史』を表しているのではないかと思っています。ここで重要になるのは、人間族と対立した“ある種族”とは誰なのか、そしてDの一族とは何者なのかですよね」
現代ではまさに神のような扱いを受ける“彼ら”の先祖は、驚くべき仕打ちを受けていたのではないかと神木氏は続ける。
「まず、第一世界に“隷人”という言葉が出てきます。この“隷人”は現在の天竜人の先祖なのではないかとも思います。つまり20の王家のさらに先祖は、元々奴隷だったのではないかということです。そして、それを支配し大地のエネルギーを掘らせ続けていたのが、他の種族たち……例えばその一端はバッカニア族だったのかもしれません。そう考えると、サターン聖がバッカニア族について『かつて世界に対して大罪を犯した』『奴隷になる事と死ぬ事しか許されていない』と語っていたのも納得できます。天竜人は、それだけバッカニア族を恨んでいるのではないかと思うんです。そして災害でバッカニア族は滅び、奴隷として地下にいた人間族は数名が生き残った。ここから第二世界が始まり、地球にやってきたのは月の民ルナーリア族でしょう。つまり現在の世界政府は、“支配を恐れ先手を打ち支配している”イメージになるのではという印象です。人間族を支配しようとしたルナーリア族と、悪魔の実を武器にした人間族が交戦したとします。このタイミングで登場するのが、『神典』の中盤、第二世界に書かれている“半月の人”です」
Dの一族の正体は、ファンの間で常に考察されてきた謎の1つだ。