売り切れ続出の新随筆文芸誌「随風」とは? 最注目の多彩な書き手が寄稿

今年春に創刊した随筆復興を推進する文芸誌『随風 01』が話題を呼んでいる。書誌imasuが文芸評論家の宮崎智之、文筆家の早乙女ぐりこを企画人として招き創刊した。年2回の発行となる。
企画人のひとりである宮崎智之は、『文學界』2023年9月号 、『kotoba』2024年春号 、『すばる』2025年1月号 などの多数の文芸誌に随筆・エッセイについての論考を掲載し、書店での選書フェアやトークイベントなどを展開してきた。随筆・エッセイは、枕草子、方丈記、徒然草の日本三大随筆があるにもかかわらず、近代以降の日本文学史のなかで、必ずしも大きな存在感を放っているジャンルではなかったことを指摘している。
しかし、昨今、文学フリマではエッセイブースの数が激増し、noteなどのプラットフォームでエッセイを書く書き手も増えている。また、独立系書店や目利きの一般書店も、その流れに反応し、随筆/エッセイのシーンとも呼べるものを形成しつつある。
こうした中、創刊されたのが随筆文芸誌『随風』。創刊号では、宮崎智之が「巻頭随筆」を担当したほか、随筆特集「友だち」に浅井音楽、海猫沢めろん、オルタナ旧市街、岸波龍(機械書房)、早乙女ぐりこ、ササキアイ、作田優、鈴木彩可、竹田信弥(双子のライオン堂)、友田とん、西一六八、野口理恵など、書店主も含む多彩なメンバーが寄稿している。
また「批評」では、柿内正午、仲俣暁生、横田祐美子がここでしか読めない鋭利な論を、さらに「座談会 城崎にて、香川にて」では、森見登美彦、円居挽、あをにまる、草香去来が登場。最後に「編集していない編集者の編集後記」を北尾修一が執筆した。
コメント
「随筆復興は日本語話者の誰もが当事者となりうる文学運動だと考えています。そして、その根拠地である『随風』は、誰にとっても身近な雑誌でありたい。いま吹き始めた『風』は、あなたの髪を揺らし、頬を撫でます。ともに風を受けて走りましょう」(『随風』初代発行人 平林緑萌)
「随筆/エッセイを文学の、散文芸術の一大ジャンルとして復興させ、シーンを盛り上げていきます。『随風』の影響でまた新しい才能が現れて、肯定的にであれ、否定的にであれ、シーンを引き継ぎ、更新していく。そういった文学の営みを駆動さていくため、ここに令和の文芸運動『随筆復興の春』の始動を宣言します」(文芸評論家・宮崎智之)
























