【重版情報】自閉スペクトラム症者にとって、アニメやドラマは『人の心』の理解に役立つ? 話題書がヒット

昨年11月22日に亜紀書房から発売された、京都府立大学文学部准教授・横道誠の著書『「心のない人」は、どうやって人の心を理解しているか——自閉スペクトラム症者の生活史』が、2刷から1カ月を待たずに3刷が決定するなど、ヒットしている。
『「心のない人」は、どうやって人の心を理解しているか——自閉スペクトラム症者の生活史』の中身をチェック
本書は、「自閉スペクトラム症の当事者はマンガ、小説、アニメ、映画、テレビドラマ、音楽などから〝人の心〟を理解しようとしているのではないか?」という仮説をもとに、コミュニケーションが苦手で共感能力が乏しいとされてきた、自閉スペクトラム症者7名へのインタビューをまとめた内容となっている。
発売前から印象的なタイトルからSNSを中心に話題となった本書。発売後も、賛否両論の感想が続出し、なかでも熱心なレビューによってネット書店中心に売上を伸ばしていたところ、リアル書店でも追加注文が相次いだため、3刷が決定したという。
著者の横道誠は、京都府立大学文学部准教授。40歳で自閉スペクトラム症、ADHDと診断され、発達障害者などのための自助グループ活動を精力的におこなうようになり、その経験をもとに多数の著作を発表している。
仮説をもとに、さまざまな生い立ちを抱える当事者7人に、自身も当事者である著者が共感を込めてインタビュー。かれらが夢中になったマンガ、小説、アニメ、映画、テレビドラマ、ポップミュージックは、どのようなものだったのか。「当事者の生活史」と「昭和・平成・令和のサブカル変遷史」が見える一冊だ。
書籍情報
『「心のない人」は、どうやって人の心を理解しているか——
自閉スペクトラム症者の生活史』
著者:横道誠
価格:2,200円(税込)
発売日:2024年11月22日
頁数:252ページ
出版社:亜紀書房