【ライトノベル最新動向】映画『メイクアガール』のノベライズやスピンオフが登場 安田現象監督作品に注目

1月31日から公開中の安田現象監督作品『メイクアガール』のノベライズが、監督自身の監修で3冊登場してくる2月のライトノベル。電撃文庫からは『オーバーライト――ブリストルのゴースト』でバンクシーのようなグラフィティを描く者たちの情熱を物語にした池田明季哉が、映画のストーリーをノベライズした『メイクアガール』(電撃文庫)と、映画で繰り広げられる物語の源流に当たりそうな『メイクアガール episode 0』(電撃文庫)を2月7日にそれぞれ刊行する。
天才的な科学者だった母親の水溜稲葉の後を継ぎ、優れた科学の才能を見せていた水溜明だったが、少し研究が行き詰まりを見せていた。見かねたクラスメイトの邦人が彼女でも作ればと声をかけたところ、明は彼女として人造人間を製造してしまう。天才ゆえにズレたところのある明だけに、生み出された少女の人造人間“0号”とはうまくコミュニケーションがとれない。0号の方もプログラムに従って明への感情を深めていくが、それが本当の意味での“恋”なのかに迷う。
テクノロジーが発達し、AIが進化した未来に起こりそうな現象を、愛らしいキャラクターたちで描いた映画『メイクアガール』のストーリー。ここから、時間的に遡っていそうなのが『メイクアガール episode 0』(電撃文庫)だ。稲葉がまだ存命で、〈次世代高校生プログラム〉の応募者の中で1位の実力を見せていて、2位の川ノ瀬初と最下位の深森ソナタの3人でチームを組んでプログラムに挑むことになる。映画では回想でしか登場しない稲葉の凄さに触れられそうだ。
残る1冊は、多次元世界を行き来できるようになった少年の身に起こる事態を描いた本格SF『多元宇宙的青春の破れ、唯一の君がいる扉』の眞田天佑によるスピンオフ小説『小説版メイクアガール メイクマイセルフ』(MF文庫J)。こちらでは、明や邦人とクラスメイトの茜が「明君が2人いればよかったのにね」と言ったところ、自分の複製ロボを作るってしまうという展開から、ロボットに目覚める自意識のようなものについて語られそう。2月25日発売。
安田現象関連では、怪異系ショートアニメ『あやかしアラモード』が、『岸辺露伴は動かない』や『呪術廻戦』のスポンオフ小説を多く手がける北國ばらっどの手で小説『あやかしアラモード』(スニーカー文庫)として1月31日に刊行。神社に捨てられてあやかしたちに見守られて育った少女の周り起こるさまざまな出来事を通して、人とあやかしとの心温まる関係を描く。こうした出版方面からの大プッシュを受けて、映画『メイクアガール』がどこまで盛り上がるかに注目だ。
シリーズでは、二丸修一の『幼なじみが絶対に負けないラブコメ13』(電撃文庫)が最終刊として登場。黒羽、白草、真理愛といったヒロインたちに囲まれドタバタとしながらも楽しい日々を過ごしてきた丸末晴が、いよいよ誰か1人に絞って告白することを決意する。その相手とは? 累計で100万部を突破する人気シリーズがどうなるのかを見届けたい。2月7日発売。
ラブコメでは、三河ごーすとの人気シリーズ最新巻『義妹生活13』(MF文庫J)が登場。さらに、TVアニメへの感想を作者自身が綴った大長文の感想に、読売栞の視点から書かれた外伝小説を加えた『義妹生活 another days』(MF文庫J)も出て、描かれている物語の世界についてより深い理解をもたらしてくれるだろう。2月25日発売。
詳細なミリタリー描写が話題の樽見京一郎によるシリーズの最新巻『オルクセン王国史 〜野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか〜4』(サーガフォレスト)は2月15日発売。名君にして名将のグスタフ王がいよいよ仕掛けたエルフの国、エルフィンドとの戦いが凄絶さを増して描かれていきそう。コミカライズともども好調で、版元も含まれるエディアの決算にも寄与しているシリーズだけに今回も売れ行きが気になるところだ。


























