世界中のマニアが大集結「まんだらけ」広報に聞く、訪日外国人に人気の作品と意外な売れ筋商品

中野ブロードウェイの中に数店舗ある「まんだらけ」。それぞれのショップごとに専門分野が分かれている。

■外国人観光客に日本が大人気、その影響は

 たくさんのアニメショップが集まる東京の秋葉原や池袋、大阪の日本橋などに行くと、とにかく目立つのが外国人観光客の姿である。外国人がフィギュアやぬいぐるみを袋いっぱいに爆買いする光景は日常茶飯事だ。なかには数万円もするヴィンテージソフビやブリキのおもちゃを買い求める、セレブな集団も多い。

 中野駅から徒歩5分、「中野ブロードウェイ」に本拠地を置く漫画専門古書店「まんだらけ」にも外国人観光客が訪れる。その影響か、今年、池袋にある「まんだらけ」のおもちゃ専門店「まんだらけ那由他」のショーケースがスカスカになっていると、ネットで話題になった。同様の話は、秋葉原のソフビ専門店「まんだらけCoCoo」でも聞く話である。

 一連の背景には、動画配信サイトなどで日本のアニメが世界に広まり、熱狂的なファンが世界中に増加しているためという分析もある。店舗側から見たインバウンドの実態はどのようになっているのか。まんだらけの本店がある中野ブロードウェイで、広報の中村勝也氏に話を聞いた。

■外国人観光客、インバウンドとマニアでかなり違う

『ウルトラマン』のソフビやおもちゃは、アジア系の外国人に人気が高いという。

――中野ブロードウェイにはまんだらけの店舗が点在していますが、外国人の姿が多いですね。中村さんは現状をどのように見ていますか。

中村:当店は、いわゆるインバウンドのブームが起こる前から外国人のお客さんが多かったので、現在マスコミで取り上げられているように、急激に増えた……という印象は個人的には感じていません(笑)。私が入社したのは2000年ですが、その頃から当店を訪れる外国人は多かったですし、英語で対応するスタッフもいました。ただ、当店を訪れる外国人は、新宿や浅草、上野などで観光する客層とは違うと思います。いわゆるインバウンドと呼ばれる観光目的のお客さんも来店されますが、目的を持った“マニアの外国人”が目立つのが特徴ですね。

――外国人観光客とひとまとめにされそうですが、両者の違いは極端だと思います。

中村:インバウンドというと大半が、安全だとか、安く旅行できるとか、おいしいものが食べられるといった感覚で日本を旅行先に選んだ層だと思います。もちろん、当店も海外のガイドブックに載っているので、観光目的の方もいらっしゃいますよ。ただ、繰り返すようですが、いわゆるインバウンドとマニアックな外国人は購入するもの一つ見ても全然違います。

――まんだらけは店頭を見ているだけでも博物館のようで楽しいので、物珍しさで来る方も多いと思います。いわゆるマニアではない、インバウンドに人気のある商品はどんなものでしょうか。

中村:インバウンドの方には、今人気のアニメグッズなど買いやすい価格帯のものがお土産として人気ですかね。当店は非常にマニアックな商品を多く扱っていますが、1万円を超える商品などは、本当に好きな方しか気軽にお土産で買える金額ではないと思いますよ。

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