『最強タンクの迷宮攻略』人気の秘密は主人公・ルードの好感度? アニメ化を機にその魅力を解説

『最強タンクの迷宮攻略』人気の理由は

 アニメ『最強タンクの迷宮攻略~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~』が1月6日26時より、ABCテレビ・テレビ朝日系で放送を開始する。

 木嶋隆太が原作を手がけ、如月命がコミカライズを担当している『最強タンクの迷宮攻略』。勇者パーティーのタンク=盾役として迷宮に挑んできたルードは、自身が持つ正体不明のスキルが仲間を危険に晒しているとして、パーティーを追い出されてしまう。しかし、彼が持つスキルは実は“最強”と呼ぶに相応しい強力なものでーーという、異世界ファンタジーに親しんだファンならあらすじでワクワクできる物語だ。

 主人公の能力が勘違いされ、不遇な扱いを受けたり、仲間に裏切られたりした結果、痛快なリベンジが展開される人気作は少なくない。「復讐劇」には大きなカタルシスがあるが、本作の主人公・ルードはそうしたネガティブな響きとは程遠い、善良な人間だ。ルードをパーティーから追放した“勇者”はもちろん、(少なくとも当初は)軽薄な人間として描かれるが、周囲の人々はきちんと彼を慕っており、嫌な気分を引きずりながら“その時”を待つ……というストレスを過剰に感じずにドラマを楽しむことができるのだ。

 本作には異世界ファンタジーの人気要素のひとつである、ハーレム要素もある。しかし、妹のマニシアを溺愛し、迷宮を攻略し彼女が患う難病を治す秘宝を手に入れることに人生を捧げているルードに“下心”はなく、彼の行動を見れば慕われることにも納得がいく。通常は奴隷として扱われるホムンクルスの少女·ルナを人間として大切に扱い、横暴な冒険者には毅然とした対応を取るが、相手が反省すれば怒りは引きずらない。「ちゃんとした大人」なルードは、数ある異世界ファンタジーの中でも自然と応援したくなる主人公のひとりだ。

 彼が持つ“レアスキル”については序盤の盛り上がりにもかかわるためネタバレを控えるが、冒険者たちの「体力」を「外皮」という概念に集約したのも面白い。異世界ファンタジーに近い世界観を持つRPGを考えると、体力がゼロになるまでほとんど能力の減衰がない。それを物語として描くと違和感が生じるが、「外皮」を削る勝負だと捉えればエキサイティングだ。「盾役」がどのように強敵を制するのか、バトルにも注目してもらいたい。

 1月6日は大ヒットWebtoonを原作とした『俺だけレベルアップな件』、『キングダム』や『マッシュル-MASHLE-』、『青の祓魔師』や『僕の心のヤバイやつ』といった人気作の続編と注目のアニメがそろっている。そんな中でスタートする異世界ファンタジーの期待作『最強タンクの迷宮攻略』をチェックしてみてはいかがだろう。

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